日経「荒れる仮想通貨 専門家に聞く(上)」

日本経済新聞がすっかりスタンスを変えて、連日、仮想通貨を絶賛攻撃中。

■日経「荒れる仮想通貨 専門家に聞く(上)」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26688120Y8A200C1EE9000/


タイトルに「荒れる」と付けるとか、悪意丸出し(笑)
京大院の岩下直行教授とエール大ロバート・シラー教授へのインタビューです。岩下氏は前日銀FinTechセンター長。
おふたりのコメント内容は、極めて妥当なものと思います。

日銀「フィンテック特集号 金融イノベーションとフィンテック」

日本銀行が、フィンテック(Fintech)に関するレポートを公表。

■決済システムレポート・フィンテック特集号―金融イノベーションとフィンテック(2018.2.7)
http://www.boj.or.jp/research/brp/psr/psrb180207.htm/


35pほどの論考ですが、さすがに日銀。よく整理されています。関係者は一読の価値あり。

フィンテック(FinTech、日銀では「T」は大文字)を、新しい情報技術を支払決済サービスをはじめさまざまな金融サービスに応用していくグローバルな動き、と定義しているのですね。つまりITを金融サービスに応用すれば、みんなFintechという。
それを、スマートフォン、AI・ビッグデータ、ブロックチェーンの3つの観点から、金融サービスへのインパクトを整理しています。

なお、主に執筆されているのが決済機構局の方というのにも、日銀の姿勢の一端が見えるような気も。

仮想通貨記事 クレカで購入禁止、BIS総支配人、信託

日本経済新聞の金融経済面、仮想通貨関係の記事が3つ出ていましたので備忘録として。

■カードでの仮想通貨購入禁止

米英の銀行が自社クレジットカードでの仮想通貨購入を禁止と。英ロイズ、米JPモルガン・チェース、BOA、シティの名が。
借入での購入は、いわゆる信用取引と同様で、とてもリスクが高いので、当然の動きでしょう。

■仮想通貨「投資家保護を」BIS総支配人 金融当局に提言

国際決済銀行(BIS)のカルステンス総支配人が仮想通貨を批判し金融安定のため監視強化するよう提言。
BISは一般には無名ですが、国際的銀行規制をおこなうバーゼル銀行監督委員会の事務局が置かれ、規制の親玉みたいなところ。当局の現時の対応としては、こちらも当然。

■三菱UFJ信託 仮想通貨「信託」で守る 交換事業者倒産でも


先日のエントリの通り、呼称が仮想通貨「取引所」ではなくなり(ただ「交換会社」でもなく)「交換事業者」となってますが、以下では資金決済法上の名称である「交換業者」とします。
三菱UFJ信託銀行が、仮想通貨交換業者の利用者の仮想通貨を信託財産として管理するサービス。4月を目途にサービスインを目指す。

資金決済法では、自社と利用者の資産の分別管理が義務付けられています。ただ、仮想通貨交換業者が不正アクセスや経営不振で破綻した場合、帳簿が別なだけでは資産保全されません。混在リスク(コミングリングリスク)の顕在化ですね。

利用者の仮想通貨が信託されていれば、仮に交換業者が破綻しても、利用者の資産は守られます。証券会社やFX業者では、ふつうに導入されている制度です。倒産隔離。

なお、CCの件では、信託はもちろん、資金決済法が定める分別管理さえされていなかったという報道ですが。いったいどうなっているのでしょうか。

日経 これからは仮想通貨「交換会社」と呼ぶ

日本経済新聞より。
日経は、これまで仮想通貨「取引所」と記していたのを「交換会社」に変えるそう。

■法律上は「交換業者」(2018.2.6)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO26555520V00C18A2EE9000/


金融商品取引法上の金融商品取引所(証券取引所)と誤認・混同しないように、ということでしょうが、資金決済法上の「仮想通貨交換業者」でよい気もしますが。又は「両替商」「両替屋」とか。

両替で一攫千金なんて、まるで封建時代の両替商を彷彿とさせます。

特許、許可、認可、登録、届出の違い

行政法関係で、特許、許可、認可、登録、届出…等、似ている法律用語があります。

Web上で検索してみると、(Q&Aサイトを別にして)専門の士業の方が、これらの違いを解説しているページがたくさんヒットしますが、検索上位の内容をいくつか確認すると、相互に整合性が無いものが多々あります。というか、真逆なものも多い。

ただ、これはいた仕方ない面もあり、それは、
1. 法令におけるこれらの用語が、実は必ずしも統一的に使用されていない。
2. 士業の方はそれぞれ専門の法令群に詳しく、それらから帰納的に解説する。
からではないか、と推測します。実務家ですから。

例えば金融庁は、金融機関情報として、

■免許・許可・登録等を受けている業者一覧
http://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html

というのを公表しています。
免許・許可・登録とあり、この「免許」は、銀行法に基づく銀行免許等でおそらく特許に相当しますが、例えば運転免許は許可に当たります。混乱。

行政法の基本から遡らないとキチンとした解説はおそらく困難であることは明らかですが、あえて特許、許可、認可、登録、届出の用語を私見で概説すると以下です。
(あくまで概ねで例外も多数あることはご容赦下さい。)

特許、許可、認可・登録、届出は、この順序でユルくなる。

特許は、行政がある特別な権利を付与すること。(知財の特許とは関係ありません。)行政裁量そのもの。
許可は、一般的に法令が禁止する事項を、行政が解除し許すこと。行政裁量有り。
認可は、行政が一定の要件を示し、それに合致した場合に確認すること。行政裁量は無い。
登録は、認可と同様。リストの公表を想定。行政裁量は無い。
届出は、行政の定めた形式で一定の項目や内容を届けるもの。行政裁量は無い。

ちなみに、某CC社は仮想通貨交換業者登録の審査中と主張していましたが、要件に合致しない場合は当然に登録されない訳で、それは必ずしも行政裁量ではありません。
なお、実務的には、届出を受理しない、登録の審査結果を明らかにしない等の事実上の行政裁量が存在するようにも思います…。

インデックス投信とETF

よく理解していなかったことが判明したので備忘録として。

インデックス投信とは、ある指数や価格に基準価格が連動するように運用するタイプの(非上場の)投資信託。

ETF(Exchange Traded Funds、上場投資信託)とは、ある指数や価格に連動するように運用するタイプの金融商品取引所に上場された投資信託。
ETFの運用の中身はインデックス投信とほぼ同じで、取引方法などは上場株式に準ずるという、いわば投信と上場株式の折衷的&良いとこ取りの商品です。

ある指数や価格に基準価格が連動するように運用することをパッシブ運用と言い、そのような運用をするファンド(パッシブファンド)をインデックスファンド(Index Fund)とも呼びます。インデックス投信とETFは、広義のインデックスファンドです。

[参考]
■ETFと投資信託、株式の違い(日興アセットマネジメント)
https://www.nikkoam.com/products/etf/about/difference

仮想通貨のハードフォーク

コインチェック社への金融庁の立入検査はどういう結果を招くのでしょうか。部外者&局外者としては、ただただ、ワクワクしますなぁ。

ハードフォーク(Hard Fork)とは、仮想通貨における互換性の無い仕様変更のこと。互換性のある仕様変更はソフトフォーク(Soft Fork)です。
なお、フォーク(Fork)はブロックチェーンの分岐のこと。これ自体はブロックの生成時にたまに生じるそうで、孤立ブロックの枝が捨てられメインチェーンに収束します。

ハードフォークという用語が使われるのは、主に仮想通貨が分裂する(分裂させる)ケースです。
ハードフォークにより生じた新旧の両仕様が共に残存すると、結果的に2つの仮想通貨に分裂することになります。Bitcoinがビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)に分裂、The DAO事件の後でEthereumがイーサリアム(ETH)とイーサリアムクラシック(ETC)に分裂したようなケース。

他に、例えば不正と判断された送金を取り消すことを目的にハードフォークをおこなうこともあるよう。コインチェック社の件で、NEM財団が否定していたのは、この巻き戻す(ロールバック)ためのハードフォークでしょう。
これは、ちょっとややこしいですね。
実は、The DAO事件でEthereumがハードフォークしたのも、こちらだと誤解していたのですが、確認してみたら間違いでした。

富士フイルムが米ゼロックス買収 共同出資からの経緯図解


富士フイルムが、米国のゼロックスを買収するとの報が。

■富士フイルムがゼロックス買収、古森会長 最大の賭け(2018.2.1)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26376820R30C18A1X13000/


ゼロックス(Xerox Corporation)は、ご存知のように世界で初めて普通紙コピー機を開発したメーカーです。

日本では富士フイルムと折半出資の合弁で富士ゼロックスを設立して、ビジネスを展開。むかしは「ゼロックス」が複写機の一般名詞として使われていた頃があるほど有名でした。
そのゼロックスが、まさか富士フイルムに買収されるとは、管理人の世代としては感慨深いものがあります。

そのあたりの共同出資~買収の経緯、いまひとつ頭の整理が付き難かったので、簡単に図解してみました。
報道された内容に基づき作成しましたが、誤認等がありましたらご指摘頂けると有難いです。

ゼロックス買収 180202

そうそう、有名なパロアルト研究所も富士フイルム傘下になるのでしょうか。

tag : 簡単図解

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