アイゼンハワーの四角形

<マトリクス・シリーズ>
前回はちょっと業界特化のリスク・ポジション・マップでしたが、今回はアイゼンハワーの四角形。

アイゼンハワーの四角形は、重要性と緊急性からものごとを区分するツール。名称は、重要-緊急マトリクス、時間管理マトリクス等、いろいろありますが、管理人はこの名前で憶えました(ソースは書籍だったのですが書名が思い出せません、すいません。)
タイムマネジメントの本などでは、必ず出てくるツールです。

縦軸:重要性
横軸:緊急性
の2×2=4マスのマトリクスです。

アイゼンハワーの四角形
緊急性
なしあり
重要性あり重要×緊急(1)    重要(2)    
なし緊急(3)?(4)
 







タイムマネジメントでは、このマトリクスから通常、以下の教訓を引き出します。

人は「(重要ではないが)緊急(3)」なものごとを先にやってしまう傾向がある。なので重要なものごとに手が付かない。これを止めて「(緊急ではないが)重要(2)」なものごとをやること。
重要でも緊急でもない(4)領域は無視でき、重要で緊急な(1)領域はやるしかないので。個人のタイムマネジメントでは、この観点は役立ちます。

ただ、業務の上での問題は「重要性」の判断(誰が判断するか、とか)で、また「緊急性」を無視できるポジション(役職等)と才能も必要かと。

リスク・ポジション・マップ

<マトリクス・シリーズ>
前回はちょっと小物のSECIモデルでしたが、今回はリスク・ポジション・マップ。

リスク・ポジション・マップは、リスク対応の定石を発生頻度と影響度の観点から簡易的に表現したもの。リスク・マネジメント界隈では、基本的なモデルです。単にリスク・マップ、リスク・チャート等とも呼びますね。

縦軸:影響度
横軸:発生頻度
の2×2=4マスのマトリクスです。

リスク・ポジション・マップ
発生頻度
影響度リスク転嫁リスク回避
リスク保有リスク低減
 






オリジナルはPPMと同様に、マトリクスというより、正確には散布図。一般的には、縦軸が損失金額、横軸が発生確率になります。
また、これもPPMと同様に、3×3=9マス等に増やして、詳細化するパターンもあります。

リスク対応の定石は、
発生頻度が多く影響度の大きい右上は、リスク回避。
発生頻度が多いが影響度の小さい右下は、リスク低減。
発生頻度が低いが影響度の大きい左上は、リスク転嫁(移転)。(←ここが一番問題)
発生頻度が低く影響度の小さい左下は、リスク保有(受容)。

右上のリスク回避は、要するに「リスクを生じる原因自体の排除」、左下のリスク保有は「リスクを無視」なので、リスク・コントロールの対象となるのは、主に、右下(リスク低減)と左上(リスク転嫁)の部分になります。

リスク低減
は、事務ミス、製造不良や労災の撲滅みたいな話で、もちろん大切ですが、定式化等で基本的に対応可能。コスト-効果を勘案し、どこまでやるかというところ。

問題は、左上のリスク転嫁の部分で、ここはリーマン・ショックや大震災とか、ちょっと昔に流行った「ブラックスワン」を含む世界。保険等のリスク・ファイナンスがひとつの対策ですが、コスト-効果的に出来る対応には限界があり、また将来は不確実で移転できるリスクは限られます。ただ、そこが面白いところでもあり。





SECIモデル

<マトリクス・シリーズ>
昨日のSWOTに続きましては、SECIモデル。残念ながら、PPMやSWOTに比べると小物感は否めませんが…

SECIモデル(セキモデル)は、野中郁次郎氏の提唱したナレッジ・マネジメントに関する概念マトリクス。

SECIモデル
暗黙知
形式知
暗黙知
共同化

表出化

内面化

連結化
形式知
 









軸?がL字型で、
上部・縦左側:暗黙知
下部・縦右側:形式知
の2×2=4マスのマトリクスです。ちょっと変わってますね。
(上表はL字型のマスが作成できないために「暗黙知」、「形式知」を2分割してます。すいません。)

共同化(Socialization)は、暗黙知×暗黙知。
表出化(Externalization)は、暗黙知×形式知。
内面化(Internalization)は、形式知×暗黙知。
連結化(Combination)は、形式知×形式知。

確か、野中氏・竹内氏の「知識創造企業」は購入して読んでいるのですが、特に記憶に残るものはありません。
このSECIモデルも、言葉遊びとしてはとても面白いと思うのですが、具体的事案に当てはめると「で…どうするの?」という感じ。暗黙知、形式知という言葉も、一時けっこう流行ったものの、今ではほぼ死語になりました。考えてみると、よく判らない言葉なんですよね。

あ、野中氏らの「失敗の本質」は、とても良い本なので、未読の方はぜひ読んでみることをお薦めします。なお、似た書名の「戦略の本質」とお間違えないように。

<追記>
このエントリ作成直後、ある媒体のビジネス書お薦めリストのベスト10に、野中氏の某新刊(Amazonリンクはしない)が入っていて、吹いたことは内緒…



SWOT

<マトリクス・シリーズ>
昨日のPPMに続きまして、これも有名どころのSWOTです。

SWOTは、企業経営を内部環境(経営資源)の強み(Strength)と弱み(Weakness)、外部環境の機会(Opportunity)と脅威(Threat)の4つに区分して分析する手法です。4つの単語の頭文字が名称に。

縦軸:内部環境の強みと弱み
横軸:外部環境の機会と脅威
の2×2=4マスのマトリクスです。
(縦軸と横軸はどちらでも…)

SWOT
外部環境
機会(O)脅威(T)
内部環境強み(S)
弱み(W)
 








まず、4つ項目をリストアップします。

強み(Strength)とは、企業の経営の優れた部分。
弱み(Weakness)とは、企業の経営の劣った部分。
機会(Opportunity)とは、自社の経営にチャンスとなる要因。
脅威(Threat)とは、自社の経営に逆風となる要因。

ポイントは、内部要因は相対的に、外部要因は将来を見越して(リスクも含め)、それぞれリストアップし、更に4つのリストを相互に組み合わせて検討することでしょうか。それが、マトリクスの各セルになります。

内部環境と外部環境の両方を意識して経営を分析したもの。孫子の「敵を知り己を知れば~」という奴です。ツールというか、表現形としての性格が強いかもしれません。
研修などでひと頃はよく使われました。あまりに初歩的なものとしてバカにする方もいますが、それは使い方次第というか、使う方の能力次第なのかと。

アンゾフのマトリクス

<マトリクス・シリーズ>
このところ、経営ツールの棚卸などをしておりました。
思いつきで、外見的な共通性から、マトリクス・タイプのメンタルモデル(いわゆるフレームワークという奴)を集めてみました。思ったほど、数がありませんでしたが…。

第1弾は、イゴール・アンゾフが「経営戦略論(1965)」で提唱した「アンゾフのマトリクス」。

アンゾフのマトリクスは、
-縦軸:市場の既存/新規
-横軸:製品の既存/新規
からなる 2×2=4マス のマトリクスです。成長マトリクス等とも呼ばれますね。

アンゾフのマトリクス
製品
既存新規

市場
新規市場開拓多角化
既存市場浸透製品開発
 







オリジナルは、確か、左下のマス(第3象限)が、既存/既存でした(記憶)。表の左下角を0基点とするグラフのイメージでしょうか。

企業戦略における事業ドメインの定義について、市場と製品という2つの観点からアプローチしたもの、と理解しています。市場と製品の新旧の組合せから4つの戦略を導き出しています。

市場浸透は、既存市場に対して既存製品で浸透する。既往の戦略ポジションでありリスクは小さいですが、競争に打ち勝つ何かが必要になります。

市場開拓は、新規市場に対して既存製品で開拓する。マーケティングに重点を置いた戦略です。

製品勝発は、既存市場に対して新規製品を投入する。製品開発力に重点を置いた戦略です。

多角化は、新規市場に対して新規製品を投入する。マーケティングと製品開発の両方が必要になる戦略。当然ながら、一番リスクの大きな戦略です。

業務プロセスに関するまとめ

<業務プロセスシリーズ>
プロセス、業務プロセス等や関連する経営ツールについて、7本のエントリを連投しましたので、一応まとめておきます。

業務プロセスは、ビジネスモデルの主要な構成要素です。一般的な企業では、その優劣が経営業績を左右するケースが多いです。

「プロセス」の意義
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2435.html

業務プロセスと階層:プロセス、アクティビティ、タスク
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2436.html

業務フロー
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2437.html

ビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2438.html

ABC(活動基準原価計算)
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2439.html

工程分析
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2440.html

データフロー図
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2441.html

なお、まとめに合わせて、エントリの一部内容を修正しました。

データフロー図

<業務プロセスシリーズ>
業務プロセスに関する経営ツールの続き。

データフロー図とは、データの流れを図解したもの。業務をIT化したりシステムの改修、更改等の際に利用されます。
なお、IT技術者(以下「SE」と略称)の方々は、DFD(Data Flow Diagram、データフローダイアグラム)など、よりキチンとした手法に基づいて図解されると思います。それらについて解説しているサイトや書籍は多々ありますので、そちらを参考にされることをお薦めします。

管理人場合は、もっと業務寄り、ITでいう上流の更に上流、コンサルタントの立場なので、データの流れと業務プロセスが、ほぼ一緒になった図解が中心です。顧客のユーザー(業務担当)及びシステム部と、システム開発を受託するSEと自分の4者が議論出来て、合意するための図解です。

なので、なんちゃって(←死語)データフロー図ですかね。ただ、業務寄りだと、意外に横断的な図解方法の解説は無いものなんですよ。方法論の書籍を探したこともあるのですが、個別の業務別になってしまい、汎用的なものはあまり無い。
といって、正統なDFD等にすると顧客のユーザーが、まず付いてこれない(自分もですが)。あと、システム部とSEは自分たちの流儀と違う記法を嫌う、なんてね。問題はいろいろあります。

あくまで管理人のやり方ですが、それを前提にご紹介しますと、例えば以下のような図解。
データフロー図(例)
(以前に関与したある案件を超簡易化したもの)

ポイントは、主な業務プロセスを記し、それにデータが附帯する形式で記述すること。また、イン/アウトだけでなく基本的に時系列とすること。なのでデータについても記載のある業務フローチャート、つまり業務フローチャートの一種ですね。
例えば前述したDFDのルールには、いろいろ抵触しているのですが、目的や利用者が異なりますので、このようにしています。

いろいろなシステムを導入し、データ統合などをせずに長期間が運用していると、目的別データベース(DB)が不整合なまま乱立し、業務が余計に非効率になることもあります。データフロー図を使い、現状を整理、改善することをお考えになっては如何でしょうか。

工程分析

<業務プロセスシリーズ>

業務プロセスに関する経営ツールの続き。

工程分析(Process Study、Process Analysis)とは、主に製造業などで、生産部門の作業工程を分析する手法。生産管理は工程管理、品質管理、原価管理等に細分されますが、工程管理の基本的手法です。
ホワイトカラーの事務作業を対象とする事務分析も、これの派生ですね。

業務フローの一種ですが、視点が製品等にあるのが特徴でしょうか。例えば製品工程分析では、自分が原材料になりコンベアに乗って流れていくようなイメージの図解になります。

いろいろ流派はありますが、例えば最も簡単なのだと、

加工 : ○
運搬 : ○
停滞 : ▽
検査 : □

といった記号を使い、表記します。
工程分析(例)
(過去に関与したある工場の工程を超簡易化したもの)

製品に付加価値を付けるのは加工だけで、他の工程は基本的にムダです。検査は品質管理で重要な場合もありますが、工程管理ではムダとみなします。

工程分析は、生産現場では非常によく知られた手法です。管理人は技術者ではありませんが、生産管理からコンサル修行を始めたので、なじみ深いツールです。

簡単に使い始められますが、奥が深く非常に有用。おおまかにも作れますが、タスクや動作レベルに落し込むことも可能で、いくらでも複雑&巨大になります。昔、航空事故に関するTV番組で、体育館的なホールを使い、膨大な航空機生産の工程を分析しているのを見たことがあります。

それに比べると、事務分析の方はあまり知られていません。日本のホワイトカラーの生産性は世界的に見ても、また生産現場と比較しても、非常に低いと言われます。管理人の観察(&自省)でも、あまりにも非効率で、自分勝手な方法で事務をやっている人が多すぎるよう。
事務分析などの手法などを使い、少しは効率化したほうが、企業と従業員の双方にとってもよいことではないかと考えております。
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「生涯一コンサルタント」として、ダウンシフトしながら、人生晩年を迷走中です。

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