地域金融論

地域金融論 多湖秀人 金融財政事情研究会 2007.7.19刊

著者は、金融機関向けの経営コンサルタントで、リレーションシップバンキング(リレバン)の論客。
リレバンを中小・地域金融機関の生き残り戦略と位置づけ、従前の持たれあいとは違う、商流等を中心とした地域、地域顧客との新たな関係構築の必要性を提言、具体策も提示しています。
随所に「多湖節」が炸裂。地域金融機関のみならず、行政(政府系金融機関、信用保証協会含む)、金融機関の利用者である中小企業、個人など、誰に対しても、言うべきは言う、という方針が貫かれています。
特に、p18にある「金融機関病」(別名:規制業種病)は、地域金融機関だけでなく、メガバンクなどを含む全ての金融機関に共通する重い病だと思います。(多くの大企業・役所等も罹患?)

管理人個人は、「地域の再生」はかなり困難で、また、それを地域金融機関が担う必要もない、と思っています。著者のリレバン論には賛成しますが、リレバンは金融機関にとっては手段であり、コミットするべきは、(金融機関とリレーションを持ちながら成長しようとする)個々の企業で、地域ではない、とドライに考えます。また、ゼロ成長の経済の下で企業が成長するには、同業や隣接業種でより弱い企業を見つけて打ち負かすのが基本戦略で、それを支援するのがコンサルタントの役割りです。それらが結果的には、地域の非効率性を改善し、地域の活力を強めることも有り得るとは思いますが(もちろん共倒れとなることも)。
ただ、著者のような社会的な視点を持った金融機関論が重要なことも理解できます。また、分析事例や具体策が豊富なので、著者の見解への賛否を問わず、容易に読み進めることができます。

金融機関の方はもちろん、金融機関向けにビジネスや各種施策を実施される企業や役所、関係機関、NPO等の方々にも、一読をお薦めします。

お薦め印:★★★★☆

地域金融論―リレバン恒久化と中小・地域金融機関の在り方 地域金融論―リレバン恒久化と中小・地域金融機関の在り方
多胡 秀人 (2007/07)
金融財政事情研究会

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著者が顧問を務めるアビームコンサルティングのプレスはこちら。
http://www.abeam.com/jp/aboutus/pr2007/20070703.html
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