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産業革新投資機構

1. 産業革新投資機構とは
産業革新投資機構の件は、民間出身の取締役9人が辞任し、経産省は予算要求を取り下げ、現時点での一応の収束を見たようです。

産業革新投資機構の正式名称は株式会社産業革新投資機構(Japan Investment Corporation、JIC)。産業競争力強化法に基づく国策会社で、いわゆる特殊法人。
官民ファンドと自称しますが、株式のほとんどは国が保有し国の資金や信用で投資する官製ファンド。ソブリン・ウエルス・ファンドです。

以前、(似た名前の)産業革新機構というのがありましたが、ジャパンディスプレイへの投資といった、ゾンビ企業救済機関に成り下がり行き詰ったため、模様替えをした形。(従前の産業革新機構(INCJ)は、産業革新投資機構の傘下に残存する形になっています。)

■産業革新投資機構
https://www.j-ic.co.jp/jp/

2. 成長投資の本質
ソブリン・ウエルス・ファンド(Sovereign Wealth Fund、SWF)とは、国や政府などが出資するファンドのこと。
SWFや官製ファンドには2つの観点から大きな問題があると考えており、今回、産業革新投資機構が機能不全に陥ったことは、結果的には良かったと思います。

問題のひとつは、成長投資の本質という観点からです。

ベンチャー企業が成長して大企業になるとか、破綻状態の大企業が再び成長軌道に乗るとかといったことは、偶然の要素が大きく左右するもの。それを事前に見抜くことは極めて困難です。
成長投資は基本的にギャンブルであり、そもそも税金や国の信用を元手にやるべきことではありません。民間に任せるべきこと。
民間が取り難いリスクを官製ファンドが取る、という発想そのものが問題です。

3. 政官のポピュリズム
もうひとつの問題は、国策会社ゆえに政官のポピュリズムから逃れ難く、ジャパンディスプレイへの産業革新機構、日本航空(JAL)への企業再生支援機構のような、ゾンビ企業救済機関となることです。
特に、JALの事案はヒドいもの。ふつうに解体して人材や業務・マーケットを開放していれば、日本の航空業界も一変していた可能性があったかもしれないのに。

今回辞任した民間出身取締役のコメントを拝見すると、どうも産業革新投資機構は官設民営を目指したように取れるのですが、政官がそんなことを許容すると考えることは、浮世離れしていると思います。

■取締役辞任コメント等(2018.12.10、PDF)
https://www.j-ic.co.jp/jp/news/pdf/JIC_ExternalDirector_20181210.pdf

以上の2点から、官製ファンド、ソブリン・ウエルス・ファンドという存在自体に否定的です。
まあ、しばらくすると、また政官が蠢いて、似たようなことで策動するのでしょうが。
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「生涯一コンサルタント」として、ダウンシフトしながら、人生晩年を迷走中です。