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ABL(資産担保融資)の最高裁判決

1. ABLの最高裁判決
2018.12.7付日本経済新聞に、ABLに関する最高裁判決の記事がありました。

■商工中金の担保権認めず 金属くずの売却巡り(2018.12.7)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3867833007122018CR8000/

部品メーカーの矢崎総業と商工組合中央金庫(商工中金)による民事訴訟で、商工中金の融資手法がABLであるところに注目。ただ、よく読むと論点はABL自体の有効性ではないようです。

2. ABLとは
ABL(Asset Based Lending)は、(不動産等を除く)資産を担保とした貸付のこと。資産担保融資。担保となる資産は、一般的に商製品や設備等の動産や売掛債権など、不動産や船舶等の登録動産、財団等の従来から担保であったもの以外を指します。

ABLは、不動産担保や保証に頼らない新しいタイプの貸付として、金融庁や経産省等が旗を振ってきた経緯があります。

[参考]
■金融庁:ABL(動産・売掛金担保融資)の積極的活用について(2013.2.5)
https://www.fsa.go.jp/news/24/ginkou/20130205-1.html

■経産省:産業金融政策 ABL(Asset Based Lending 動産・債権担保融資)の普及促進
http://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/

3. 本件の構図
本件のABLのスキームは、スクラップの販売業者に対して商工中金がスクラップを担保に貸付するもの(動産担保融資)。
そのスクラップの仕入先が矢崎総業で、スクラップは一度は業者(借主)に移転したが代金が未決済だったので、矢崎総業が売買契約にもとづき回収して売却、それに対して商工中金がABLによる担保権を主張と。

図解すると、概ね以下のように。

スクラップ取引とABL 181209

判決は、代金決済まで所有権は(販売業者に移転せず)矢崎総業にあり、商工中金のABLの担保権は及ばないとしています。つまり、ABLの担保権の有効性自体が論点ではなく、スクラップの所有権がどこにあるかがポイントの判決。

ただ、ABLだからリスクは無い(又は少ない)というような安易な主張にはブレーキを掛けるものではありそうです。

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「生涯一コンサルタント」として、ダウンシフトしながら、人生晩年を迷走中です。

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