書店 芳林堂の破綻(3)取次から書店への与信:商社金融

芳林堂の破綻の件、最初のエントリに続き、前エントリでは、取次の破綻に伴う書店の連鎖破綻について理由を推定しました。そのひとつとして挙げたのは、取次が芳林堂に与信していたのではないかということ。今回は、その与信の方法についてです。

与信の方法として、貸付(融資)、出資、リース、債務保証等がすぐ思い浮かびますが、それら以外に、締日・支払日や手形期間等の支払条件を用いた支払の先送り(後払い)による実質的な金融機能があります。これらは、主に商社や卸等の仲介業者により提供され、商社金融などとも呼ばれます。

商社金融に関係する主な支払条件
1. 締日

2. 支払日(支払期間)

3. 手形期間


1の、締日は売買の基準となる日で、その日付までの金額で卸等の請求金額(=売上金額)と小売店の支払金額(=仕入金額)が決まります。個人のクレジットカードでもこの締日は有りますね。締日を後送りすると、小売店側からみると支払義務自体が生じないのでお金を借りているのと同様の効果になります。

2の、支払日は、文字通り小売店が支払する日で、締日からの支払期間等で定めます。「月末締め、翌月末払い」とか。クレジットカードだと決済日です。支払日を後送りすると、小売店側からみて支払が生じないのでこれもお金を借りているのと同様の効果になります。

3ですが、商売における支払方法には一般的に、現金払いと手形払いがあります。現金払いには、文字通り現ナマで払う方法だけでなく、振込や自動振替、小切手も含みます(というかこちらが通常です)。手形払いは、約束手形という有価証券を振り出す等の方法です(為替手形もある)。クレジットカードの決済日に、更にクレジットカードで支払う、みたいなイメージになります。
2で決めた支払日に現金で支払うのではなく、更に手形払いにすることで、小売店側は現金流出を更に先送りできます。これも手形を使っている以上、信用の供与そのものです。

書店の場合、これらに委託販売に伴う返品の精算が絡むため、そこにも調整の余地があったのではないかと推定します。書店(小売店)側からも請求があり、その相殺の額やタイミング等です。
(新刊本の返品率は60~70%とも言われるようで、出版業界の闇そのものです。)
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