償却とは

償却は多義的に使われる用語で、その意味は例えば会計、金融等の業界(?)で大きく異なります。それらに対応する英語や、和製英語(省略語)の問題も加わり、大混乱(←管理人の頭のなか)。
備忘録として、少し整理します。(あくまで管理人の理解です)

まず、国語辞典で基本的な定義を確認しておきます。

しょうきゃく[償却]
(1)
借金などをすっかり返すこと。
(2)
⇒ 減価(げんか)償却
(3)
回収見込みのない資産を貸倒れとして(損金)処理すること。

<大辞林 第3版(三省堂)より>


会計界隈では、償却は減価償却の略語として用いられます。大辞林の2番目の定義ですね。減価償却は、固定資産の費用化の手続です。
なお、厳密には、減価償却(Depreciation)は有形固定資産のみに適用され、無形資産については(略語でない)償却(Amortization)が使われます。そのため、以下のような少しおかしな関係になります。MECEじゃないですね。

償却=減価償却---減価償却(Depreciation)
----------償却(Amortization)


金融界隈では、大辞林の3番目の貸倒処理の意味で使うケースが圧倒的に多いです。いわゆる不良債権処理に関する用語ですね。
なお、この大辞林3の定義には、少し問題があります。
「損金」処理は税務上の扱いです。減損により帳簿から落とす(落丁、Wright Down)場合、損金になれば(無税)償却ですが、損金にならない有税償却というのも有り得ます。
また、貸倒処理でも、貸倒引当金(Allowance for Bad Debts、Bad Debt Provision、Bad Debt Reserve、Allowance Account for Credit Loss、Allowance to Doubtful Accounts)の計上による間接償却もあります。そのため、厳密には償却=損金処理ではありません。

もうひとつ、金融では大辞林の1番目の意味として、Amortizationの略語である「アモチ」という表現をすることがあります。償還(貸手からみると回収)のことで、一般的には債務を分割して徐々に返済又は回収する方法のことです。一括償還の場合には、償却やアモチとは言わないと思います。
これはまた、会計における無形資産の償却(Amortization)と日本語及び英語が同じなのが、ややこしいです。

まとめ
償却とは、以下のこと。
1. [有形固定資産の]減価償却(Depreciation)&[無形資産等の]償却(Amortization)

2. 貸倒処理(貸倒引当金の計上&落丁(Write Down))

3. 分割償還(Amortization)


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