日経 経済教室 西川郁生氏「国際会計基準の展望(下) 『のれん』処理、日本型は妥当」

2015.1.15付、日本経済新聞朝刊経済教室面。
前日(2015.1.14)の山田辰巳氏につづき、「国際会計基準の展望 (下)」として「『のれん』処理、日本型は妥当」という、西川郁生氏(慶応大教授)のIFRSに関する論考が掲載されています。西川郁生さんは前ASBJ委員長。

テーマは、日本におけるIFRSの主要論点のひとつ、のれんについて。ちなみに、日経にはたまに出てくる「のれん代」という表現は間違い。かなり恥しいので、よい子は使わないように(笑)

のれんの扱いはIFRS(及び米国基準)と日本基準で異なっており、IFRS反対派の大きな論拠のひとつになっていました。IFRSは(償却せず)減損。日本基準では20年以内で償却、必要に応じて減損する扱い。

-のれんとは、継続企業において事業資産の表面上の価値を超えて存在するとみなされる超過収益力のこと。
-会計上の取得のれんとは、M&Aにおける対価額と資産・負債の公正価値合計の差額。
-のれんに関する論点は、取得のれんを償却するか/しないか。(のれんの償却/非償却)。
-歴史的には、償却(日本基準はこのまま)→2001年米国基準の改定で非償却(減損)→2004年IFRSもコンバージェンスで非償却→2014年米国基準は非公開企業に10年以内償却の選択肢。
-近時の見直し再燃の理由は、のれんの減損の認識が遅過ぎ、かつ大きすぎること。
-のれん非償却は投資回収計算の例外。例外はないほうがよい→定期償却。

さすが西川先生、とても経済教室とは思えない(←褒め言葉)厳密な論理展開で読み応えあり。

なお、のれんとM&Aについて、私見を整理しておくと以下です。
-のれんが生じる原因であるM&Aは、経営的には大勝負だが、過半は失敗に終わるとも言われ、当然に大きなリスクを伴う。なので、減損は必須。これが機能しない(遅過ぎかつ大きすぎる)のは大問題。
-M&Aの期待効果(投資回収の見込)は、短期間かつ非常に大きい必要がある。20年後とか、毎年のれんの1/20の水準などというのは、論外。つまり、仮に定期償却するとしても、現行の日本基準のように償却期間が20年などというのはあり得ない。20年後に日本国が存在するかどうかも怪しいのに(笑)
-減損(強制)と短期の定期償却(5年とか)の組合せが、経営の現実に合致する。


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