日経「IFRS、純利益押し上げ」

2014.9.4付の日本経済新聞、投資情報面より。

■IFRS、純利益押し上げ
大手企業 のれんの定期償却なく(2014.9.4)


まず、「のれん代」と書かず、キチンと「のれん」としたことを高く評価しておきましょう(笑)

のれんとは、M&Aにおける買収側の支払対価と被買収側の純資産との差額のこと。
B/Sに資産計上されたのれんは、日本基準では最長20年で定期償却(費用化)します。他方、IFRSではB/S(IFRSでは「財政状態計算書(F/P、Statement of Financial Positon)」)に計上された資産は定期償却せず、減損処理の対象となります。
日本基準は規則的な償却を行う方法、IFRSは規則的な償却を行わず、のれんの価値が損なわれた時に減損処理を行う方法、ということですね。これは日本基準とIFRSの大きな相違点のひとつとされ、日本版IFRSと言われる修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準、Japan's Modified International Standards(JMIS)が作成される主要因ともなりました。
(なお、日本基準でも、M&Aで取得された固定資産については減損処理の対象となるようです。)

[参考]企業結合会計(PDF) 105~109
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/ketsugou/ketsugou_1.pdf

会計基準を日本基準からIFRSへ変更すると、定期償却が不要となり会計上の(表面的な)利益が増加します。そのため、記事のリードでは「1株利益が上昇する結果、株価に影響を与える可能性がある」と書いています。

なお、本文で「移行時の利益押し上げは一過性で真の収益力とは無縁だ。」とも書いていますが、この表現には少々引っかかる。
後半の「真の収益力とは無縁だ。」については(「真の」って何だ?とか、疑問はあるが)取りあえず置いておくとして、「移行時の利益押し上げは一過性」という表現は如何でしょうか。日本基準の定期償却に相当する期間は利益の底上げ効果がずっと持続する(利益額は高止まりする)はずなので、まったく「一過性」ではない。

「利益率のアップは一度だけ」と言いたかったのですかね。そうだとすると、非常に不適当な表現のように思います。


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(2014/03/08)
秋葉賢一

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