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「Gゼロ後の世界」読了

国際政治、地政学分野の一冊。

■「Gゼロ後の世界」 イアン・ブレマー
日本経済新聞出版社 2012.6.22刊


副題は「主導国なき時代の勝者はだれか」。著者は、国際政治・地政学系の調査研究・コンサルティング会社「ユーラシア・グループ」の代表。奥付には(話題?の自民党新総裁)「安部晋三にも助言」とある(笑)

[目次]
1.Gゼロとは何か?
2.Gゼロへの道
3.Gゼロ・インパクト
4.勝者と敗者
5.来るべき世界
6.Gゼロ・アメリカ

Gゼロとは、世界のリーダーになるという課題に対応できる、単一の国または永続的国家連合が存在しない世界秩序をいう。


かなり、面白い。
以前にご紹介した「2050年の世界」などと同じ、シナリオ系の話として読みました。

Gゼロへの道筋は、こんな感じでしょうか。

G2 米国とソ連

G7 米国、英国、ドイツ、カナダ、フランス、イタリア、日本(先進7カ国)

G8 G7+ロシア

G20 たくさん…

Gゼロ


例によって、少し、いちゃもんを付けておくと…
ブラジルやアフリカ諸国が過剰に評価されているのは、かなり違和感あり。
アフリカは論外として、ブラジルも、都市のど真ん中に犯罪組織が居座って、地下経済を巣くり、一般人が生活するのも超危険な国に、まともな投資が継続されるとは、ちょっと考えにくい。このあたりは、ジョージ・フリードマンの「100年予測」、「激動予測」の方に理がありそう。
もちろん、周辺には競合できる国がないので、地域覇権国にはなるんでしょうが。

また、政治学分野の方なので仕方ないんでしょうが、国というものの能力や役割、パワー等に、過剰な期待バイアスがかかってます。「A国はXXXであることを理解しており…XXXと行動する」という擬人的な表現が多用されますが、そんなことが現実離れであることは、極東の某二流国(三流?)の震災後の右往左往や国境紛争での稚拙な対応(相手国もね)を見れば、明らかですよね、ですわよ(笑)

他方、経済や経営の実態に関する理解レベルは、あまり高くないようにお見受け。例えば、日本の高度経済成長は通産省のおかげ、というような、既に全否定された幻の神話が、まじめに書かれています。

日本の通商産業省(現・経済産業省)は、国内経済の多くの側面を運営するために介入をおこなった。(引用)


のは事実かもしれませんが、その多くが失敗(製鉄所の増設や自動車製造への参入を妨害した)。成功したケースは、誰がやっても同じか、役人の個人的に資質に依存したものか、または単なる偶然。国が経済に対して、長期的に貢献できるのは、規制を無くし、邪魔をしないことだけです。


「Gゼロ」後の世界―主導国なき時代の勝者はだれか「Gゼロ」後の世界―主導国なき時代の勝者はだれか
(2012/06/23)
イアン・ブレマー

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「生涯一コンサルタント」として、ダウンシフトしながら、人生晩年を迷走中です。