大蔵省、財務省のキャリアで、内閣府参事官などとして小泉政権〜安部政権における諸改革で腕を奮った著者が経験した、財務省をはじめとする役所との軋轢、暗闘を書いています。
[目次]
序章 安倍総理辞任の真相
第1章 財務省が隠した爆弾
第2章 秘密のアジト
第3章 郵政民営化の全内幕
第4章 小泉政権の舞台裏
第5章 埋蔵金の全貌
第6章 政治家VS官僚
第7章 消えた年金の真実
終章 改革をやめた日本はどうなる
本当は、同著者の「財投改革の経済学」を読むべきなのに先延ばしして、一般向けでキャッチーな本書に逃げてしまいましたorz
全体的に抑えたトーンで、書かれています。少なくとも、ここに書かれていることが事実であり、書かれていないことが、更にこの何倍かあったんだろうとは、容易に推測できます。本書を読んであらためて気付くのは、日本が「社会主義」の国だということ。○○(伏せ字)な役所&役人どもに、国を牛耳られるようなバカげた仕組みになってしまっている。そこに、マスコミが絡んで、更に事態悪化。まあ、民間でも、大企業などは、同じような官僚主義に、すっかりまみれていますけど。
現実を直視し、このような状況から脱却するためにも、役人以外の全ての方々にとって、本書は必読かと。
それにしても、著者は、非常に優秀な上に、良い意味で「鈍感」な方(大物)だったのでは。並の神経では、とても持たないでしょう。
なお、著者が以前に書いた本を、知らずに何冊か読んでいたことに、気付きました。
[如何なものか(ダメ出し、いちゃもん、横槍など)]
大蔵省のリスク管理が手薄なことは知っていましたが、まあ、民間の金融機関も、目くそ鼻くそです。少なくとも、経営陣でALMの本質を判っているヒトは、ほとんどいませんし、カネの面では、ALM構築に「10億〜20億円ほどのコスト」(p59)は、メガバンクでもかけないでしょう。たぶん、桁が違います(笑)
著者はリフレ派(インフレ・ターゲット論者)のようで、日銀の金融政策を、非常に強く批判しています。(p57、p200)ちなみに、「ある日銀担当記者のブログ」(p57)とは、こちらかと(推定につき、間違いご容赦)。
ただ、この点は、ピント外れと思います。確かに、教科書的な、現実無視のモデルでは、金融政策で簡単にデフレから脱却できることになります。でも、そんなことであれば、どこの国も、すぐに不況から脱することができてしまう。そんなことはあり得ないし、実際に無い。このあたり、役所などを信じるな(p262)と主張しながら、やはり元お役人、日銀が何かできると、無意識に信じているんでしょう。管理人は、役所も日銀も信じていないので、デフレ脱却の金融政策も、マイルドなインフレのコントロールも、できない→やる必要もない、と思っています。
[私的INDEX]お薦め印:★★★★☆(社会主義国家)
上げ潮派、財政タカ派、過去官僚、べからず集
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