簡単図解

図解という手法も、ある程度の市民権を得たようで、関連する書籍なども、いろいろと出ていますな。

【関連書籍】
■「図解主義!」 アンドリュー・J・サター インデックス・コミュニケーションズ 2005.06.21

図解主義!図解主義!
(2005/06/21)
アンドリュー・J・サター

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ところで、図解に堪能な方ほど、複雑な図解を描いてしまうケースも多いです。1枚のペーパーに、複数個の独立した複雑な図解を配置して、悦に入ってみたり…。
仕事であれば、仕方なく時間をかけて理解しようとする訳ですが、まあ、これは「解読」といえる作業。まるで暗号で、他人にとっては苦行です。
エンジニアの方が作成する専門的な図などは、記法や作成目的などに大きな共通性があるのですが、それでも他人の作成したものを読み取るのは、難儀だそうです。

マジカルナンバー7(マジックナンバー7)といいますので、図解の全要素を合わせて、7つくらいが直感的な理解の限界かと思います。つまり、□とか○と、リンク(→)とかを合わせて、せいぜいそれくらいに納めたい。
それ以上、複雑な図解は、少なくとも他人が瞬間的に理解するのは無理なんじゃないかと。

図解のネガティブ面を語ってしまいましたが、当ブログでは、今後、複雑すぎない、簡単な図解を取り入れよう、などと妄想。
これを「簡単図解(略して単図)」又は「Simple Diagram(略してSD)」と、取りあえず命名(笑)。コンセプト先行ですが、はてさて、どうなるか。
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TKCもIFRS対応を発表

TKCも、ついにIFRS対応を発表したようです。連結会計システムeCA-DRIVERユーザーへの具体的な支援をおこなうとのこと。

現時点では、TKCのサイトには本件ニュースリリースの掲載が無いようですので、@ITさんの記事を拝借。

■TKCがIFRS推進室、「不安感を抱く経理担当者」を支援(2010.1.28)
http://www.atmarkit.co.jp/news/201001/28/tkc.html


TKCは、ERPベンダーや他の連結PKGメーカーとは違って、中小・零細企業がメイン顧客と思いますので、主にコンバージェンス(IFRSへの収斂に伴う日本基準の変更)対応なんでしょうが、アドプションへも対応するとのことです。

■TKC(現時点では、本件ニュースリリースの掲載は無し)
http://www.tkc.co.jp/index.html

tag : IFRS

IFRSとルールメーキング

2010.1.27付の日本経済新聞投資・財務1面に「国際会計基準 激化する覇権争い(下)」という記事について、同(上)に続き、ひとこと。

IFRSに限らず、ルールメーキングは、すべてパワーゲームという一面を持ちます。

記事に「自国の利害を主張するだけでなく、他国の意見をまとめながら議論をどう主導していくのか」とあります。
もちろん、自国の主張して、かまわないのだと思います。問題は、「誰の」利害で、どんな「主張」か、ということ。

財務諸表の利用者の利害だとすると、より正確な実態把握なんで、世界的に、ほぼ共通なんですよね。作成者側の利害だとすると、結局、自国の既存のルールを主張することになりがちです。

また、主張の真の目的がどうであれ、前向きに改善された新しいルール(に見える形)に収束させる方が説得力を持ちますし、他者の賛同も得られやすいと思いますが。この意味でも、既存ルールの正しさを、単に主張しているだけではダメでしょう。

なお、ちょうど、今読んでいる本が、ルールメーキングに関連した内容なので、ご紹介しておきます。

【関連書籍】
■「ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか」 青木高夫 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009.12.20

ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか (ディスカヴァー携書)ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか (ディスカヴァー携書)
(2009/12/20)
青木 高夫

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IFRS広報に関するアンケート:日本公認会計士協会

日本公認会計士協会のIFRSのサイトで「IFRS広報に関するアンケート実施のお知らせ」がありました。

質問内容として、現在のサイトの項目が多くあります。サイトを変えていくための参考にするのかと思いますので、ご意見を投げてみては如何でしょうか。

■IFRS広報に関するアンケート実施のお知らせ(2010.1.26)
http://www.hp.jicpa.or.jp/ippan/ifrs/information/japan/ifrs_6.html

IFRSと銀行監督

2010.1.26付の日本経済新聞投資・財務1面「国際会計基準 激化する覇権争い(上)」という記事について。

英国の金融サービス機構(Financial Service Agency、FSA)が、「新たな引当金処理の考え方に疑問を投げかけた」とあり、IFRSの公開草案「金融商品:償却原価と減損」に反対しているものと伺えます。
まあ、欧州銀行の傷みがひどいことは、関係者の間ではよく知られたことですが、英FSAは監督責任と機能の有効性を問われて、存立自体が危機に瀕していますので、余計に責任転嫁的にならざるを得ないんでしょうね。

中小企業会計指針

現行の「中小企業の会計に関する指針(中小企業会計指針)」は、もともと2006年6月に中小企業庁が取りまとめた「中小企業の会計」が元になっています。株式公開を目指さない旧商法上の小会社を対象としていたんですね。ちょうど「非上場会社の会計基準に関する懇談会」のターゲットと同じ。

その後、今の民間4団体、日本税理士会連合会、日本公認会計士協会、日本商工会議所、企業会計基準委員会の管理に移ったと。

■中小企業庁:中小企業の会計について
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/kaisetsu.html

こちらで、様式例やツール集のダウンロードも、可能になっています。

■同:中小企業の会計31問31答 平成21年指針改正対応版)ツール集
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/kaikei_tool.html

経済Trend 特集 IFRS導入に向けた日本の取り組み(2009年11月号)

備忘録です。

すでにだいぶ以前ですが、日本経団連の雑誌「経済Trend」の2009年11月号で「IFRS導入に向けた日本の取り組み」という特集があったそうです。

■経済Trend 特集 IFRS導入に向けた日本の取り組み(2009年11月号)目次
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/trend/200911.html

雑誌の存在自体を知らんかったですが、目次を見ると、ちょっと面白そうな内容です。

指定国際会計基準の告示改定案が提示 IFRS9号が適用可に

指定国際会計基準に関する、告示の改正案が提示されました。

■金融庁:「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件」等の一部改正(案)の公表について
http://www.fsa.go.jp/news/21/sonota/20100120-1.html

対象にIFRS9号(金融商品:分類と測定、但し金融資産の部分のみ改定)が含まれているのに着目。
金融庁は、中間報告で任意適用段階ではカーブアウトしない、としているので、IASBが基準化したIFRS9号を適用対象とするのは、極めて自然。(強制適用時の判断は留保)

あと、EUはまだこのIFRS9号のエンドースメントをしていないので、一瞬だけ日本の方が先行するかも?といっても、改定はまだ先(2/22までパブコメ募集中)で、任意適用は2010.3期から。それまでにEUが承認すれば、再逆転するかもですが。

非上場会社の会計基準に関する懇談会

ASBJのサイトに「非上場会社の会計基準に関する懇談会(仮称)の設置に向けて」という記事がアップされています。発信元名は、IFRS対応会議。

■ASBJ:IFRS対応会議(以下の頁の「リリース」でPDFが開きます)
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/ifrs/20100122/

先般の、日経の記事「中小向け会計基準作成へ」というのは、こちらのことだったのですね。


メンバーは中小企業関係者、学識経験者、日本商工会議所、日本税理士会連合会、日本公認会計士協会、日本経済団体連合会、企業会計基準委員会等、オブザーバーは法務省、金融庁、経済産業省、中小企業庁、東京証券取引所となってます。
財務諸表の利用者サイドがまったく含まれていないのが、致命的ですね。犯罪者とその仲間に刑法を作らせるのに近い、と思うのは管理人だけですか、そうですか。

PIT/TTS(参)

銀行監督当局からのリリース・ペーパーで、IFRSの金融商品に関してPIT/TTSに触れているところがありました。

■金融庁:中央銀行総裁・銀行監督当局長官グループによるプレス・リリース「中央銀行総裁・銀行監督当局長官グループがバーゼル銀行監督委員会による一連の改革案を補強」の公表について
http://www.fsa.go.jp/inter/bis/20100112.html

「期待損失に基づく真に頑健な引当手法を構築することが不可欠」とあり、期待損失モデルを支持しているようですが、文中で「through-the-cycle」というワードが使われており、ちょっと混乱するかも。

IFRSの公開草案「償却原価と減損」では、through-the-cycleではなくpoint-in-timeだと言っています。(BC20~24あたり)
公開草案では個別金融資産の減損の話をしているのに対して、当文書では「through-the-cycle引当手法」とあるように引当による効果全体の話をしているので、両者の議論のレベルが違うのが原因と思いますが、判りにくいのは間違いない(←古い)。

新たな中小企業向け会計基準作成の動き

2010.1.19付日本経済新聞(経済1面)に「中小向け会計基準作成へ」という記事がありました。
IFRSには「IFRS for SMEs」があり、それに相当する位置付けとするのでしょう。先般の金融庁三井課長の発言には、こんな裏があったのか、と深読み。

この新しい中小向け基準が作成されると、日本の会計基準は、以下のような構成になると推測されます。

上場会社・連結財務諸表→IFRS
上場会社・個別財務諸表→日本基準(将来はIFRS?)
中堅企業→日本基準
中小企業→中小向け新会計基準?

中小零細企業では、税務基準による(にしか従わない)ところも残るでしょうから、都合3~4種類の財務諸表が混在することになる。財務諸表の利用者(銀行などの金融機関、金融会社、商社など)にとっては、悪夢でしょうなぁ(笑)

なお、あまり知られていませんが、今も一応「中小企業の会計に関する指針(中小企業会計指針)」というのがあります。こちらは、日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所、企業会計基準委員会の4者が主体となり設置した中小企業の会計指針作成検討委員会という組織が、策定しているようです。

■「中小企業の会計に関する指針(平成21年版)」の公表について(2009.4.17)
http://www.jcci.or.jp/chushokaikei/090417kohyo/top.htm

これも一般に公正妥当な会計慣行(GAAP)と言われていますが、こちらと新しい基準との関係も整理するとのことです。

IFRS9号へのEUの対応予測など

金融危機諮問グループ(Financial Crisis Advisory Group、FCAG)からG20議長国へのレターが公表され、このなかでIFRSの動向にも触れているようです。

今後数ヶ月間の予想として

・EUによるIFRS9号「金融商品:分類と測定(第1フェーズ)」のエンドースメント。
・第3フェーズのヘッジ会計の公開草案公表。


■日本公認会計士協会:IFRS:IFRSに関するお知らせ(2010.1.12)
http://www.hp.jicpa.or.jp/ippan/ifrs/information/iasb/g20.html

■IASB:Financial Crisis Advisory Group issues letter to G-20 on IASB and FASB progress
http://www.iasb.org/News/Announcements+and+Speeches/FCAG+Issues+Letter+to+G-20.htm

ヘッジ会計の件は予定通りですが、店晒しになっているIFRS9号のEU承認が進むんでしょうか?

JFAELのIFRSセミナー「国際会計基準が変える企業経営」

2010.1.19に会計教育研修機構(JFAEL)の主催するIFRSセミナー「国際会計基準が変える企業経営」を聴講してきました。備忘録です。

1月の開催「国際会計基準が変える企業経営」
講師 五十嵐 則夫 氏 (横浜国立大学教授、公認会計士)
日時 2010年1月19日(火)13:30~15:10

講師は、この本(既読)の著者です。

国際会計基準が変える企業経営国際会計基準が変える企業経営
(2009/10/20)
五十嵐 則夫

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JFAELの主催する初セミナーとのことで、開催に先立ち理事長からの挨拶があり、実質約90分の講演。

参考になったのは、仕訳レベルでIFRS対応しておく必要があるという点。つまり、連結先行の状態では、日本基準とIFRSの2つをカバーする元帳が原則的に必要。当たり前のようですが、巷では「日本基準で元帳管理して個別決算をやり、連結時にIFRSに組み換え仕訳すればよい」というたぐいの文章がけっこう出回っていますので。

問題なのは資料。その薄さ(正味14頁)もアレですが、実際に映される資料やプレゼンとほとんど合っていないのも大×。おそらく主催の天下り組織から、実施日のかなり以前に資料提出を求められたため、当日までに修正したのだと思います(推定)が、それにしても迷惑な話です。
お値段分の価値があったかは、かなり微妙でした。書籍を読んだ方がよろしいかも。

米国と国内のIFRSの情勢

IFRSのこれまでの経緯と、特に米国、日本の最新情勢について、会計コンサルティング会社の方が記事を書いておられます。
非常によくまとまっており、参考になりましたのでご紹介。

■CIO:IFRSを巡る米国、そして国内の最新情勢(2010.1.8)
http://www.ciojp.com/contents/?id=00006117;t=0

Googleブックマーク不調

ブックマークは「Googleブックマーク」に、ほぼ統一したのですが、このところ妙な現象が頻発しており、非常に調子が悪いのです。

会社のPCで、新たにブックマークして、ラベルを追加しようとすると、なぜか既存の他のリンクひとつにそのリンク名を上書きして、ラベル名を付ける(上書きされる)。

(既存)XXXX(上書き×)ラベル:IFRS(上書き×)
(新規)XXXX(正しい) ラベル:(付かない×)

つまり、同名のリンクが2つブックマークされ、しかも間違った方にだけラベルが付くのです。困りました…

加護野先生のIFRS観に異議

神戸大の加護野忠男先生が、PRESIDENT誌にIFRS導入に反対するコラム(経営時論)を書いています。

■「IFRSの脅威」日本企業が弱体化する三つの理由 PRESIDENT 2010.2.1号


このコラムの内容には、まったく賛同できません。大昔、経営学を学ぶのに加護野忠男さんの教科書(共著)を使った者として、このような劣化は悲しいですが、よくある議論ではあります。

この主張には、少なくとも3つの間違った前提というか、事実誤認(思い込み)があります。

1.日本独自の企業経営や実情がある?
このコラムでは「日本」という表現が繰り返されます。何か、日本独自の経営や実情があるように考えているのでしょう。それが「長期的取引化関係」とか、「長期的な成長戦略」なんでしょうか。そりや、確かに差異はいろいろあるでしょう。でも、おおむね共通しているはずです。

日本企業で勤務してみれば判りますが、決して、多くの日本企業に「長期的」な何かがある、という訳ではありません(ゼロでもないですが)。むしろ「その場しのぎ」や「先送り」が溢れており、それを長期的という「言葉」で胡麻化しているケースが多いと思います。もしかして、まだ「日本的経営」なんてものが存在すると思ってるんでしょうか。

特に「株式持合」を「株主のモラルハザードが企業経営に悪影響を及ぼさないために日本の産業社会が生み出した知恵」などと主張しているのには驚愕します。株式持合というのは、経営者が自己保身を図るための単なる悪習でしかありません。(この点は、別エントリを上げるかも)

2.財務会計は企業のためにある?
「投資家の発想で作られた会計制度ではないかと感じてしまう」とありますが、何が悪いんでしょうか。財務会計は基本的に投資家(債権者その他財務諸表の利用者含む)のために作成するものです。企業が自社の経営に使うのは、「管理会計」であり、リスク管理や経営管理です。
これらは、通常は財務会計よりも詳細で、また独自なもので、財務会計を内部管理で使うという考え方自体が間違っていると思います。(財管一致などと、訳の判らないことを言うひともたまにいますが)

3.現在の日本基準はまともなものである?
すべて指摘しませんが、持合株式とか、持分プーリング法とかいう論外の手法を長期間使い続けてきた日本基準がまともなはずはありません。だから、日本企業は粉飾し放題。そのため、財務諸表の利用者の方が、多大な苦労をして修正作業をおこなっている訳です。これにかかっているコストは、本来、企業が負担するべきもの。IFRS導入にコストがかかると言いますが、自業自得でしょう。

なお、管理人はIFRSが「世界で唯一の高品質な会計基準」である、などとは、少しも考えていません。以前に、IFRSは「Evolutionである」という趣旨のコメント(とリンク)を頂きましたが、そこまで楽観的ではないです。いろいろと欠点はあるでしょう。また、US-GAAPでも、別にいいのです。ただ、いずれにしても、日本基準よりは、ずいぶんとマシなので、支持しているということです。

ASBJが公開草案「金融商品:償却原価及び減損」の日本語訳を公表

2010.1.15付で、企業会計基準委員会(ASBJ)から、公開草案「金融商品:償却原価及び減損」の日本語訳が公表されました。これはIAS39号改定作業のフェーズ2で、2010年4Qでの基準化が予定されています。

以下の過去記事の下部に追記がなされ、本文と結論の根拠の日本語訳がPDFで提供されています。

■IASB、金融資産の減損についての提案を公表(2009.11.5)
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/iasb/ed/comments20091105.jsp;jsessionid=CBF11A65C247D10425D0525E181297DC

原文の公表から約2ヶ月、これはナイスです。

新書版IFRS本、2冊ご紹介(3/3)「早わかり IFRS」

もう1冊の、新書版IFRS本。

■「早わかりIFRS (PHPビジネス新書)」 グローバルタスクフォース PHP研究所 2009.12.19

目次
1 IFRSの前提と三種の神器
2 経営上のインパクト
3 IFRSの財務三表と関連資料
4 資産・負債への影響
5 収益・費用計上への影響
6 連結決算への影響
7 システムへの影響(SE)
8 導入プロセスとポイント

コンサル会社メンバーによる共著のようです。

内容的には、IFRSのポイントを一通り網羅しているほか、システムへの影響にも若干触れています。

内容以前の問題として、一文が異常に長かったり、意味不明な点があるなど、ちょっと著者のスキルに疑問を抱く点が、ところどころにあったりなかったり。
また、肩に力の入った「経営において」的な記述が多いですが、単なる思い込みもありそう。
あと、「システムへの影響」に「(SE)」という補記をしていますが、何の略か不明です(笑)

まあ、自分もこういう文章を書く可能性がありそうなので、書籍代は反面教師の授業料として甘受。

早分かりIFRS (PHPビジネス新書)早分かりIFRS (PHPビジネス新書)
(2009/12/19)
グローバルタスクフォース

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新書版IFRS本、2冊ご紹介(2/3)「図解会計コース5 IFRS」

前エントリの続きで、新書版IFRS本をそれぞれ個別にご紹介します。

■「図解会計コース5 IFRS」 澤田和明 総合法令出版 2009.12.25

目次
1 IFRSとは
2 IFRSの財務諸表
3 財政状態計算書
4 包括利益計算書
5 IFRSが企業経営に与える影響
6 プロジェクト

通勤大学文庫の一冊で、厳密には新書より気持ち幅広の体裁。見開きの構成で、左ページに文章、右側に図解で読みやすいです。たまに、左右が同期していないのは、ご愛敬(スペースの関係かも)。
内容としては、「第5章 IFRSが企業経営に与える影響」にかなりを頁さいて、経営の観点から論じているのが特徴でしょうか。

なお、第3章の中扉と同章のヘッダー全部が、財政状態「報告書」という表記になってますが、誤植と思われ→担当編集者殿。ちょっと恥ずかしいですな。増刷時の校正を希望。

新書版2冊から、どちらか1冊と言われたら、こちらをお薦めします。

通勤大学文庫 図解会計コース5 IFRS (通勤大学文庫―図解会計コース)通勤大学文庫 図解会計コース5 IFRS (通勤大学文庫―図解会計コース)
(2009/12/25)
澤田和明

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新書版IFRS本、2冊ご紹介(1/3)

巷にあふれるIFRS本、雑誌ですが、年末に新書版が2冊登場。暇にまかせて目を通しましたので、簡単にレビューなど。

「図解会計コース5 IFRS」
「早わかり IFRS」

両方とも、著者はコンサルタント(1冊は共著)で公認会計士や学者ではないです。他の書籍が、ほとんどすべて会計士又は監査法人等の著作なのと対照的。会計士の先生方は、新書など書くと権威が下がる、と思ってるんでしょうな(笑)

IFRSの内容を、新書の百数十頁に納めること自体に、土台無理があるので、個別の論点について中途半端な説明なのは仕方がない。重要論点や定義が網羅されている訳でもありません。

ただ、IFRS絡みで、まず手に取ってみる1冊としては悪くないです。雑誌のIFRS特集よりは、よほど有用かと。
なお、経営への影響を述べていること、プロジェクトやシステムについても触れていることがなどが特徴でしょうか。

通勤大学文庫 図解会計コース5 IFRS (通勤大学文庫―図解会計コース)通勤大学文庫 図解会計コース5 IFRS (通勤大学文庫―図解会計コース)
(2009/12/25)
澤田和明

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早分かりIFRS (PHPビジネス新書)早分かりIFRS (PHPビジネス新書)
(2009/12/19)
グローバルタスクフォース

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JFAEL主催のIFRSセミナー(1月~3月)

会計教育研修機構(JFAEL)の主催するIFRSセミナーのご案内です。
1テーマ10,000円と、天下り系団体のセミナーとしては、なかなか良いお値段ですが、1月、2月を連続受講すると3月はタダになるとのこと。こういう、つまらないことは、ちゃんと工夫するんですな(笑)

1月の開催「国際会計基準が変える企業経営」
講師 五十嵐 則夫 氏 (横浜国立大学教授、公認会計士)
日時 2010年1月19日(火)13:30~15:10

2月の開催「国際財務報告基準(IFRS)導入による経営上の課題」
講師 橋本 尚 氏 (青山学院大学大学院 教授)
日時 2010年2月16日(火)13:30~15:10

3月の開催「IFRSの最新動向と日本の対応~IFRSをベースにした経営・財務・経理のあり方~」
講師 加藤 厚 氏 (企業会計基準委員会 常勤委員、公認会計士)
日時 2010年3月15日(月)13:30~15:10

(以上、JFAELのサイトから引用)


■「トップマネジメント及び会計実務家のためのIFRSセミナー」のご案内
http://www.jfael.or.jp/practical/general/seminar/index.php

IFRS公開草案「償却原価と減損」に関する参考資料(日本語)

企業会計基準委員会(ASBJ)のサイトで、第192回企業会計基準委員会の概要(の一部)として、IFRSの金融商品(IAS39号)改定の公開草案「償却原価と減損」に関する概要資料が公開されています。(2010.1.7付)

■審議(2)-6 IASB公開草案「金融商品:償却原価及び減損」の概要
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/minutes/20091221/20091221_06.pdf

期待損失モデル(文中では「予想損失モデル」と表記)のポイントが、日本語で(←ここ大事!)解説されています。金融業界の方などには、参考になるかと。

上場廃止を志向する経営者

ダイヤモンド社のサイト「DIAMOND online」の以下の記事をネタに。ザックリ言うと、IFRS対応がメンドいので、上場廃止を検討している企業が増えるかも、という観測のようです。

■DIAMOND online:唯一の逃げ道は上場廃止? 経営者の誤解と課題への対処法(2010.1.7)
http://diamond.jp/series/ifrs/10004/

まあ、自由主義社会の日本では非公開化するのは「自由」なので、よろしいんじゃないでしょうか。ヘタレ経営者が市場から退出するという意味でも、悪くない。
IFRS対応コストくらい償却できないような経営成績なら、そもそも上場している価値はないです。というか、社内に無駄を山ほど抱えているくせに、なんで経営の根本課題に対処する最低限の必要コストを忌避しようとするのか、全く理解できません。

問題があるとすれば、それはIFRSと日本基準によるコストの二重化で、これを回避する最も簡単で良い方法は日本基準をなくすこと(笑)

百貨店は受注基準だった?

2009.1.7付の日経の記事より。

百貨店各社、相次ぎ変更 ギフトの売り上げ計上
「受注時」→「出荷時」に 国際会計基準を意識


ということで、これまで百貨店の収益計上は、受注基準だったらしいです。受注基準なら、粉飾し放題ですな(笑)

注文書だけあればよく、後で取り消しの赤伝切るだけなんですから。(赤伝とは、取消伝票、返品伝票のことです)
単純ですが、効果的な粉飾の手口です。実態は架空取引。なお、これを他社と相対でやると、もっと効果的。または、取り消さず、他社にはめ込むと、循環取引に発展~。

ところで、出荷基準にした、というけど、IFRSの収益認識(IAS18号)はリスク経済価値アプローチなので、「出荷基準」は認められないんじゃなかったのでは?いや、この百貨店は「ギフトは届かなくても責任負いません」(=リスクは移転済み)と言っているんでしょうか。

ドイツ版信金におけるIFRS基準の開示状況

信用金庫業界のシンクタンク、信金中金総合研究所が面白いレポートを出しているのでご紹介。

信用金庫とドイツ版信金(フォルクスバンク)の分析ですが、銀行業界の方も参考になるかと。

■2010.1.6 総研ニュース&トピックス:ドイツ・フォルクスバンクのビジネスモデル~信用リスク選好とIFRS基準の開示状況とは~
http://www.scbri.jp/PDFnews&topics/20100106.pdf

前半は、自己資本と信用リスクの関係の分析。後半に簿価とIFRSの注記から拾った公正価値、償却後簿価との比較があります。実に面白い。

【関連サイト】
■信金中金総合研究所
http://www.scbri.jp/

IFRSでは損益が変動しやすくなる?

2010.1.6付の日本経済新聞の夕刊、マーケット総合2面のコラム「十字路」会計基準は言葉である、より。

本旨は別にして、気になったのは

『資産の時価によって損益が変動しやすくなるIFRSでは(後略)』

というところ。(コメントの一部のみを部分的に取り上げるのは、問題あるかもしれませんが)

雑誌などのIFRS特集などでも、IFRSの欠点として、このような損益が変動しやすい、という点がよく挙げられます。
でも、「損益が変動しやすい」という表現自体が適当なのか疑問です。投資家・金融マンなどの財務諸表の利用者の視点から見ると、「資産価値」が変動していることは事実であり、その変動を「損益」が表わすのは当然です。つまり、事実として「損益は変動している」のであって、IFRSだから「変動しやすくなる」というのは、利用者としては納得感がありません(あくまで、作成者側に立った見解でしょう)。端的に言えば「変動をみるのが目的」なのです。

むしろ、損益の変動を表さない、現状の財務諸表(例えば、日本基準)の方が、おかしい訳です。おかげで、我々利用者の方が、財務諸表を実態に合わせて修正する作業を強いられている、のが実情です。
IFRSの採用によって、この作業が減少すると期待しています。

非上場企業は将来も日本基準

「企業会計2010.2」のスコープアイの記事。

『非上場の中堅・中小企業については、将来的にも日本基準が適用される。(IFRS for SMEの適用の可能性もないと考えている。)』
(金融庁総務企画局企業開示課長三井秀範氏)


親方が言ってるんだから、間違いないんでしょう(笑)
中堅・中小企業は、IFRSとのコンバージェンスによる影響だけ見ていればよい、ということでしょうか。

PIT/TTS(弐)

IFRSの公開草案「償却原価と減損」をみていたら、CF予測に関して、なんと「Point In Time」が出てるじゃないですか。PIT/TTSについては、以前にエントリを上げています。
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-669.html

ただ「金融機関の内部格付システムに関するタイプの論点で、直接IFRSとは関係ありません。」と書いてしまったので、明らかにミスリードでした。この時点では、公開草案にはまったく目を通していなかったので…。お許しを。

PIT(Point In Time)とは「一時点の」、TTC(Through The Cycle)とは「景気循環を通じて」、という点はまあ、そう間違ってなかったのでよかった。なお、公開草案では、予想は「PITでよい」という趣旨のよう。個人的には、TTSには問題が有り過ぎると考えているので、妥当な結論でした。

適格格付機関

適格格付機関とは、銀行等に対する自己資本規制であるバーゼルⅡの標準的手法において利用可能な格付機関のこと。
金融庁長官が別に定める格付機関(金融庁告示第19号第1条14号)とされ、以下の告示で指定されています。
■バーゼルⅡにおける適格格付機関等を定める告示
http://www.fsa.go.jp/policy/basel_ii/09.pdf

適格格付機関は、以下の5社です。

格付投資情報センター
日本格付研究所
ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク
スタンダード・アンド・プアーズ・レーティングズ・サービシズ
フィッチレーティングスリミテッド

ちなみに、これらは指定格付機関と、まったく同じです。

【関連サイト】
■銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(金融庁告示第19号)
http://www.fsa.go.jp/policy/basel_ii/01.pdf

指定格付機関

指定格付機関とは、金融庁長官が指定する、金融商品取引法に基づく開示制度等において利用可能な格付機関のこと。この仕組み全体を、指定格付機関制度と呼びます。

指定にあたっては、格付機関のうち、金融庁長官がその格付実績、人的構成、組織、格付の方法及び資本構成その他発行者からの中立性に関する事項等を勘案して有効期間を定めて指定する、となっており、以下の告示で指定されています。

■企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号)第1条第13号の二に規定する指定格付機関を指定する件
http://www.fsa.go.jp/news/21/syouken/20091228-1/01.pdf

指定格付機関は、以下の5社です。

格付投資情報センター
日本格付研究所
ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク
スタンダード・アンド・プアーズ・レーティングズ・サービシズ
フィッチレーティングスリミテッド

なお、指定格付機関制度は、信用格付業者に対する規制(平成21年金融商品取引法等の一部改正)導入後に速やかに廃止し、信用格付業者の制度に統合していく予定、とのこと。

■指定格付機関の指定に係る金融庁告示の制定について(2009.12.28)
http://www.fsa.go.jp/news/21/syouken/20091228-1.html
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