経営指標:投資関係(4)CFPS(181/365)

CFPS(Cash Flow Per Share、1株当たりキャッシュフロー)は、EPSの変形で、簡易CF(減価償却費を戻し入れる)と株価を比較して、割安/割高を見る指標です。

CFPS(円)=(利益+減価償却費)/発行済み株式総数 …(1)

EPSよりも、CFPSの方が、指標としては、より望ましいと思います。企業業績が悪化すると、まずは減価償却費を減らす(償却方法の変更、資産を操作し償却不要にする、中小企業では単に償却しない等)のが、粉飾の定法ですので。(算出の難易度は上がってしまいますが)
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経営指標:投資関係(3)EPS(180/365)

EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益)は、P/L上の利益と株価を比較して、割安/割高を見ている指標です

EPS(円)=利益/発行済み株式総数 …(1)

利益の場合は、時価の影響が(無くはないですが)間接的になるので、株価との比較も悪くない感じです。

【関連書籍】
■「株価の見方」 日本経済新聞社 日本経済新聞社 2004.5

株価の見方 (日経文庫)株価の見方 (日経文庫)
(2004/05)
日本経済新聞社、

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経営指標:投資関係(2)BPS(179/365)

1株当たり系(造語)の指標は、株価(1株当たり)との対比という観点で、分析しているのが共通点です。投資家の視点であり、ロジカルというよりは簡単(判り易い)なのが特徴かと。

BPS(Book-value Per Share、1株当たり純資産)は、簿価ベース(会計ベース)の純資産(総資産-負債)と株価を比較して、割安/割高を見ている指標です。

BPS(円)=純資産/発行済み株式総数 …(1)

株価は時価ベース(?)なので、簿価と時価という異なるベースのものごとを比べている点に、この指標は根本的な問題を抱えていると思います。例えば「だから、より時価会計を推し進めよう。そうすれば、時価-時価に近づく。」というのが、IFRSの立ち位置かな、と。(←ちょっと乱暴?)

【関連書籍】
■「会計基準のコンバージェンス」 日本公認会計士協会東京会 税務経理協会 2009.4

会計基準のコンバージェンス―アドプションに向けて会計基準のコンバージェンス―アドプションに向けて
(2009/04)
日本公認会計士協会東京会

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経営指標:投資関係(1)代表的な指標(178/365)

最後に、投資関係(株式投資等)で使われる指標(投資尺度)を、まとめておきます。用語、算式で使用する語句にバラつきがあり、ちょっと整合性に欠けて、気持ち悪いですが、基本的に、一般的に使用される形式で記しています。管理人は、この分野には非常に弱いので、間違い等ありましたら、ご指摘頂けると、助かります。

けっこう、数が多いので、自分で憶えやすいように4つほどのグループに分けてみました。なお、ROE、ROA、D/Eレシオなど、既出のものは、除いています。

1.1株当たり系
EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益)
BPS(Book-value Per Share、1株当たり純資産)
CFPS(Cash Flow Per Share、1株当たりキャッシュフロー)
DPS(Dividend Per Share、1株当たり配当金)

2.株価倍率系
PBR(Price Book-value Ratio、株価純資産倍率)
PSR(Price to Sales Ratio、株価売上高倍率)
PER(Price Earnings Ratio、株価収益率)
PCFR(Price Cash Flow Ratio、株価キャッシュフロー倍率)

3.利回り系その他
配当利回り(Dividend yield)
株式益回り(Stock yield)
配当性向(配当支払率)
時価総額(Market Capitalization)
EV(Enterprise Value)
EV/EBITDA倍率

4.やや強引系?
Qレシオ(Q Ratio)
R&Dレシオ(Research and Development Ratio)
DERレシオ(Depreciation Earnings and Research Ratio)
PEGレシオ(Price Earnings Growth Ratio)

なお、一連のエントリでは、以下のサイトを参考にさせて頂きました。

■野村證券:証券用語解説集
http://www.nomura.co.jp/terms/
■大和証券:用語集
http://www.daiwa.jp/glossary/
■N's spirit 投資学研究室:よく使われる投資尺度
http://www.nsspirit-cashf.com/kabu/kabu_st.html

経営指標:総合指標(4)CF(177/365)

この場合のキャッシュフロー(CF)とは、企業の生み出す将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いたものの合計額です。NPV(Net Present Value、正味現在価値)。具体的には、DCF法(Discounted Cash Flow)などで算出します。

CF=CF1×割引率1+CF2×割引率2+CF3×割引率3+… …(1)


この指標の問題は、上式の各CF(CF1、CF2、CF3…)も、割引率(割引率1、割引率2、割引率3…)も、どちらも将来の推定値(あくまで予測値)でしかない、という点です。つまり、不確実なもの同士を掛け合わせ、それらを足しこんでいる、ということなので「DCF法を使用したから正確な企業価値が算出できる」訳ではないです。
CFやその成長率が一定とか、割引率が変化しない(一律)等の前提条件を置くと、(1)式は簡素化できます。ただ、そういった、有り得ないような前提を付けて算出したCF(NPV)って、いったい何を表しているのか?という疑問が浮かんでしまいますが。

「新しいタブ」問題:二態

自宅PCの、Google Chromeで、新しいタブを開くと、「最近登録したブックマーク」に(最近はほとんど使わない)IE7のお気に入りに登録したもの(=ずいぶん古いものばかり)が表示されます。Google ChromeとGoogleブックマークは、なぜか連動していないようです。Google ChromeにはGoogleツールバーは入れられない仕様だし。役立たず。

会社のPCで、IE7+Googleツールバーを使い、新しいタブを開くと、ほぼ同様の画面ながら、こちらはGoogleツールバー名義で「最近登録したブックマーク」が表示され、Googleブックマーク(オンライン)に登録したものが出てきます。つまり、GoogleブックマークとGoogleツールバーは連動している、訳ですね。自宅専用の、あまり会社では見たくない(見ないほうが良い)系のBMも表示・・・orz
ちょっと、困っています。

経営指標:総合指標(3)MVA(176/365)

MVA(Market Value Added)は、市場付加価値と訳されれるようですが、企業の市場価値総額から投下した資本を差し引いた指標です。時価で評価した企業価値と簿価ベースの資本を組み合わせた考え方です。

MVA(円)=株式時価総額-株主資本=(株価×発行済み株式総数)-株主資本 …(1)

EVAと同様、スターンスチュワート社が開発した指標です。MVAは、将来生じるEVA合計額の割引現在価値という関係になります。

経営指標:総合指標(2)EVA(175/365)

EVA(Economic Value Added)は、利益から、資本コストを差し引いた指標です。通常は「エヴァ(エバ)」ではなく「イーブイエー」と読みます。経済付加価値。企業価値評価、収益・リスクマネジメントの世界では、よく使われる指標です。

EVA(円)=利益-資本コスト=利益-(資本コスト率×投下資本) …(1)


EVAは、スターンスチュワート社の登録商標なので、一般的にはSVA(Shereholders Value Added)、EP(Economic Profit)等の用語が使われます。

例によって、命名者(=独占者)は、いろいろと細かい原理主義的な定義を定めているようですが、あまり細部にこだわる必要はありません。利益から資本コストを差し引いているとの理解で十分です。というか、この「資本コストの控除」が、この指標のポイント。
資本は無コスト又は低コストと信じているヒトが未だにいるようですが、資本がリスクを引き受けるバッファである限り、そんなことは有り得ない訳です。当然(税金を考慮しないと)資本は負債より高コスト。と、話がリスク・マネジメントの方に逸れそうなのでこのあたりでストップ。資本コストについては、またいずれ。

経営指標:総合指標(1)(174/365)

収益性、安全性、生産性で触れなかった総合的に企業を評価する指標を集めてみました。
例えば、以下の3つです。

名称内容
EVA(SVA) 経済的付加価値。資本コスト考慮後の利益を金額ベースで表示。
MVA 市場付加価値。投下資本考慮後の企業の市場価値を金額ベースで表示。
キャッシュフロー(CF) 企業の生み出す将来キャッシュフローを現在価値に割引。

ブラック・スワン(上・下)

2008年ベストに推した「まぐれ」の著者ナシーム・ニコラス・タレブの新刊「ブラック・スワン(上・下)」を購入。
上・下(白・黒)2冊で600頁ほどありますが、非常に楽しみです。

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
(2009/06/19)
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ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
(2009/06/19)
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まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのかまぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
(2008/02/01)
ナシーム・ニコラス・タレブ

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経営指標:生産性(6)単位当たり売上高(173/365)

実は、これまで述べてきた生産性の指標は、個別企業の分析やコンサル実務では、あまり利用しません。「付加価値」の定義が必要以上にややこしい割に、得られる効果が少ないのがの理由です。これらは、多数の企業を比較したり、国別・業種別等の分析をおこなうマクロ的な利用が多いのではないでしょうか。むしろ、現場で利用れされているのは、単位当たり売上高等の簡単な指標です。

単位当たり売上高とは、従業員一人当たり売上高とか、坪当たり売上高などの「単位」ごとの売上高のことです。小売店等の流通業では、この指標が生産性(及び収益性)の基準として、非常に重要視されます。

一人当たり売上高(円)=売上高/従業員数 …(1)
坪当たり売上高(円)=売上高/店舗面積(坪) …(2)
㎡当たり売上高(円)=売上高/店舗面積(㎡) …(3)

「従業員」にアルバイト・パートを含むか、「店舗面積」とは売り場面積でよいか、などの詳細は、個々の企業(及び比較対象等)ごとに判断します。

もちろん「単位当たり利益」の方が、より望ましいのでしょうが、利益率の相違や赤字の場合の扱いの問題等が出てきます。一般的に、単純な指標の方が、実務では有効な場合が多いように感じます。

経営指標:生産性(5)労働装備率、資本集約度(172/365)

労働装備率とは、有形固定資産を従業員数で除した指標で、従業員一人当たりの有形固定資産額を示します。つまり「労働の資本装備率」であり、資本装備率とも呼ぶようです。(但し、資本装備率には、他の定義もあり)

労働装備率(円)=有形固定資産/従業員数 …(1)


労働生産性の算式を、労働装備率を介して変形すると

労働生産性(円)=付加価値/従業員数=労働装備率×有形固定資産回転率×付加価値率=(有形固定資産/従業員数)×(売上高/有形固定資産)×(付加価値/売上高) …(2)


資本集約度(Capital Intensity)とは、総資本を従業員数で除した指標で、従業員一人当たりの資本(=資産)を示します。

資本集約度(円)=総資本/従業員数 …(3)


労働生産性の算式を、資本集約度を介して分解すると、同様に

労働生産性(円)=付加価値/従業員数=資本集約度×総資本回転率×付加価値率=(総資本/従業員数)×(売上高/総資本)×(付加価値/売上高) …(4)


ちなみに、労働装備率と資本集約度は、前回エントリにおける資本生産性の2つの定義に対応しています。

経営指標:生産性(4)資本生産性(171/365)

資本生産性(Capital Productivity)は、付加価値と有形固定資産への投資との割合を示す指標です。機械等の設備を購入して、それにより付加価値を得る、という関係を想定しています。
なお、投資が付加価値を生み出すまでには、通常はタイムラグがあります。また、有形固定資産には、(土地等の)遊休資産が含まれている場合があり、指標が実態を示さないケースがあります。逆に、資産価格が上昇した場合、簿価ベースでは、実態を示さない場合も考えられます。

資本生産性=付加価値/有形固定資産 …(1)


総資本を分母にしているケースもあります。こちらは、有形固定資産以外の資産も、資本性を有している、という理解です。例えば、自社で倉庫を持たない(有形固定資産はない)代わり、取引条件が悪くなっている(買掛負債が増える)ようなケースです。

資本生産性=付加価値/総資本 …(2)

経営指標:生産性(3)労働生産性(170/365)

労働生産性(Labor Productivity)は付加価値が従業員数で除した指標です。つまり、従業員1人当たりどれくらいの付加価値を生み出したか、を見ていることになります。1人当たり付加価値額。

労働生産性=付加価値/従業員数 …(1)


この指標も、例えば売上高、総資本を介して、以下のように展開されることがあるようですが、あまり使用した経験がありません。

労働生産性=資本集約度×総資本回転率×付加価値率 …(2)

経営指標:生産性(2)付加価値(169/365)

先述したように、生産性は本来、量ベースであるものを、財務ベース(金額ベース)で測るところに、まず相当に無理があります。また、投入量と産出量を、それぞれ何で測定するか、が問題になります。
そこで経営分析では「付加価値」なるものを導入して投入量と産出量の差異を代替し、解決を図っています。

付加価値の定義には、中小企業庁方式、日銀方式などがあり、以下のようになっています。 

名称概要
中小企業庁方式売上高をベースに、外部から購入した価値を控除して、付加価値を算出する方式。
日銀方式利益をベースに、内部的な費用を加算して、付加価値を算出する方式。

付加価値1(中小企業庁方式)=生産高-外部購入価値 …(1)

付加価値2(日銀方式)=利益+人件費+減価償却費+金融費用+租税公課 …(2)

他に、経済産業省方式、財務省方式も、あるらしいですが省略。

付加価値率とは、付加価値が売上高にしめる割合のことです。

付加価値率(%)=付加価値/売上高×100 …(3)

経営指標:生産性(1)代表的な指標(168/365)

生産性(Productivity)とは、投入量と産出量の比率です。つまり、あるプロセスの前後の状態を比較するもので、企業においては、付加価値を作り出す能力を把握するものです。
収益性と似ていますが、「付加価値」という概念を使うこと、ヒト・設備など経営資源ごとに分析すること、などが特徴です。より現場レベルの管理に近いイメージを持っています。

なお、本来、生産性は必ずしも「金額」で表わす必要はなく、他の単位で管理しても良いはずです(その方が実務的で実際的)。ただ、その方法では外部からの分析は、ほぼ不可能なので、会計の数値を近似的に用いているだけ、と理解しています。

生産性の代表的な指標は、以下の通りです。

労働生産性
資本生産性
単位当たり売上高、単位当たり利益、一人当たり売上高

経営指標:安全性(9)LTV(167/365)

以下の、借入金とその担保資産価額を比較する借入金比率(ローン以外に負債がほとんど無い場合は、=負債比率)は、一般的にはLTV(Loan To Value)と呼ぶ場合が多いと思います。

借入金比率4(%)=LTV(%)=借入金/担保資産価額×100 …(1)


不動産融資や不動産ファンドの世界でよく使われます。担保資産価額をどのように評価するかが、この算式のポイントで、基本的に時価評価で考えます。つまり、一般的な指標と異なり、時価ベースの借入金比率という訳です。

100%未満、出来れば70%(自己資金30%)くらいが理想ですが、バブル期など資産価額の上昇が見込まれる場合には、100%を大きく上回る(数百%とか)こともありました。

経営指標:安全性(8)預貸率(166/365)

銀行業界では、以下の指標が「預貸率(預貸比率、Deposit Loan Ratio)」として、良く使われています。

借入金比率3(%)=預貸率(%)=借入金/預金×100 …(1)

預金を貸出に回している割合で、銀行の資金の運用状態を示しています。
なお、この算式の場合、B/Sの左右(貸借)関係なので、自己資本との関係は基本的にはありません。あと、銀行簿記は通常の簿記と逆なので、預金が負債側、貸出が資産側の勘定になります。正確には、借入金ではなく「貸付金」です(通常は、借入金が負債で、預金が資産ですよね。)

銀行の場合には、この指標で安全性(健全性)と収益性の両方をみます。また、貸し渋り(嫌な言葉です)をしていないか、という外部からの視線に対応する観点かも。
地方銀行や信用金庫の預貸率は、一般的には55~70%程度で、中には50%未満のケースもあるようです。

預貸率100%を上回る状態をオーバーローンといい、預金以外の、主に短期の市場で資金調達します。高度経済成長期の都市銀行は、恒常的にオーバーローンであると言われていました。

貸出に当てられない余剰分は、主に証券運用されます。これを示す指標が、預証率。つまり、分子が有価証券等の運用となり、基本的には預貸率と合わせて100%になります。(その他の運用などを除く)

預証率(%)=有価証券/預金×100=100%-預貸率 …(2)

経営指標:安全性(7)借入金比率(165/365)

借入金は負債の一部なので、借入金比率は負債比率の補助比率(補助指標)と言い切りたいところですが、実は借入金比率については、様々な定義がなされているようです。今回まとめた指標群の中では、断トツで多義に使われていました。

多くは、いずれも分子は借入金なのですが、分母の定義が異なっています。

借入金比率1(%)=借入金/自己資本×100 …(1)
借入金比率2(%)=借入金/総資本×100 …(2)
借入金比率3(%)=借入金/預金×100 …(3)
借入金比率4(%)=借入金/担保資産価額×100 …(4)

(1)は負債比率(D/Eレシオ)と同様の考え方です。ローンと自己資本の間の、レバレッジを見ています。
管理人は(2)の定義で使うことが多かったですが、これは総資本に対する構成比ですね。
(3)は、銀行業界で「預貸比率(Deposit Loan Ratio)」として、良く使われています。この場合、正確には借入金ではなく、「貸付金」ですね。
(4)は、借入金とその担保資産(価額)の比較で、一般的にはLTV(Loan To Value)と呼ぶ場合が多いと思います。

(3)と(4)については、次回以降、もう少し詳しく説明します。

経営指標:安全性(6)負債比率(164/365)

負債比率(自他比率、負債レバレッジ)は、自己資本に対する負債の割合です。デット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ、Debt to Equity ratio)とも呼ばれます。
一般的には、負債>自己資本なので、100%より大きくなります。

負債比率(%)=負債/自己資本×100 …(1)


なお、負債比率を以下の算式とする場合もあるようですが、これは、分母を総資本としていますので、先の自己資本比率と整合的な考え方です。レバレッジ比率。

負債比率2(%)=負債/総資本×100=(総資本-自己資本)/総資本×100 …(2)

経営指標:安全性(5)インタレスト・カバレッジ・レシオ(163/365)

インタレスト・カバレッジ・レシオ(Interest Coverage Ratio)は、営業利益に金融収益(受取利息+受取配当金)を加えたものと、支払利息等の金融費用との割合(倍率)を示す指標です。
支払金利の負担感を利益対比で見るもので、少なくとも金利の支払が続けられる利益水準かどうかが、判ります。これが1だと、利払い後で収支トントンの状態。

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)=(営業利益+金融収益)/金融費用=(営業利益+受取利息+受取配当金)/(支払利息+支払割引料) …(1)

かつて、社債を発行する際の、適債基準として用いられていた記憶があります。

なお、いっしょに整理を予定していた「借入金比率」は、非常にややこしそうなので、負債比率の後に、別エントリにて後日(予定)。(近頃、こんなんが多いな)

経営指標:安全性(4)自己資本比率(162/365)

自己資本比率(Equity to Total Assets、Equity Ratio、Capital Ratio)は、総資本に占める自己資本の割合を示す指標です。資本のうち、返済不要な部分の比率をあらわします。

自己資本比率(%)=自己資本/総資本×100 …(1)


安全性の指標のなかで、もっとも重要で、よく使用されるのが、この自己資本比率です。本来は、安全性の一番最初に、挙げるべきでした。
(Capital Adequacy Ratioの語は、金融機関の自己資本比率規制等で使われるそうです。)

実証的に、デフォルトと最も関係が深いのがこの比率でした(一般に、自己資本比率の低い企業はデフォルトする確率が高い)。いわば、累積赤字が資本を食い潰していく状態を表わしているので、当然と言えます。どこまでの累積赤字に耐えうるかを示す、指標という訳です。

総資本=総資産であり、自己資本=総資本-負債なので、こんな形でも表現できます。

自己資本比率(%)=自己資本/総資産×100 …(2)
自己資本比率(%)=(総資本-負債)/総資本×100 …(3)


なお、収益性(3)で挙げた指標のひとつ、「財務レバレッジ」は、自己資本比率の逆数です。

財務レバレッジ(倍)=総資産/自己資本 …(4)

■当ブログ:経営指標:収益性(3)自己資本利益率、財務レバレッジ、投下資本利益率(155/365)
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-452.html

安全性としては自己資本比率が高い方がよいが、収益性的には低い方がよいという、ある意味で矛盾した関係になります。

なお、いっしょに整理を予定していた「負債比率」は、少しややこしそうなので、別エントリにて後日(予定)。

経営指標:安全性(3)固定比率、固定長期適合率(161/365)

固定比率とは、固定資産と自己資本との割合を示す指標です。固定資産は、資金の運用的には文字通り固定化してしまうため、可能な限り返済不要な自己資本で賄うべき、というスキームです。

固定比率(%)=固定資産/自己資本×100 …(1)

流動比率、当座比率と同様にB/Sで左右(貸借)の資金の運用状態を見る指標ですが、比較対象がズレている点が違います。

固定長期適合率とは、固定資産と、固定負債&自己資本の割合です。固定比率とは、分母が異なる点に留意して下さい。固定長期適合率は、固定比率より緩い縛りであり、固定資産は資本だけでなく固定負債で賄ってもよい、という考え方になります。

固定長期適合率(%)=固定資産/(固定負債+自己資本)×100 …(2)

経営指標:安全性(2)流動比率、当座比率(160/365)

流動比率は、B/S上の流動資産と流動負債の比率を求めるもので、運用(借方、左)と調達(貸方、右)のバランスから、資金の状態を近似的に把握するものです。

流動比率(%)=流動資産/流動負債×100 …(1)

流動比率が100%を割っている状態は、明らかに資金のバランスが崩れています。

当座比率は、当座資産と流動負債の割合です。分母の流動負債は流動比率と同じですが、分子を(流動資産のなかの)当座資産に限定し、より厳しく資金のバランスを見るものです。流動比率→当座比率で除外されるのは、棚卸資産、その他流動負債等ですが、これらの資産は不良資産となっている可能性が相対的に高いものです(不良在庫、貸付金等)。

当座比率(%)=当座資産/流動負債×100=(現預金+受取手形+売掛金+有価証券)/流動負債×100 …(2)

ビジネス・インサイトほか3冊購入

買い物症候群、発症。土日休日出勤の反動です。

■「ビジネス・インサイト」 石井 淳蔵 岩波書店 2009.4
岩波新書なのが、気に入らないが。

ビジネス・インサイト―創造の知とは何か (岩波新書)ビジネス・インサイト―創造の知とは何か (岩波新書)
(2009/04)
石井 淳蔵

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■「プロデュース能力」 佐々木 直彦 日本能率協会マネジメントセンター 2008.12.19
著者の「コンサルティング能力」は既読。こちらは、スルーしていたのですが、お薦め書評が非常に多いので、心変わりしました。

プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動
(2008/12/19)
佐々木 直彦

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■「未来戦略シナリオ」 大岩和男、岩崎 壽夫 日本能率協会マネジメントセンター 2009.1.7
偶然、目について、発作的に。所詮、日本能率協会なので、斬新な理論などは期待しませんが、図が多くてなかなか良さそうです。

未来戦略シナリオ未来戦略シナリオ
(2009/01/07)
大岩 和男岩崎 壽夫

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■「タイツくん 哀愁のジャパニーズドリーム」 松岡宏行、高橋 潤 大和書房 2009.5.8
タイツくん、好きです。

タイツくん 哀愁のジャパニーズドリームタイツくん 哀愁のジャパニーズドリーム
(2009/05/08)
松岡 宏行高橋 潤 (絵)

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経営指標:安全性(1)3つのパターン(159/365)

安全性は、企業の継続可能性を把握するための経営指標です。一般的に、債権者が重視する指標であり、銀行はその代表です。
指標は、大きくいくつかのパターン(群)に区分できます。

1.流動性の資産と負債、固定性の資産と負債(一部、資本含む)等の関係を求めるもの。→資金繰りをB/S上で近似している。
当座比率、流動比率、固定比率、固定長期適合率

2.借入金や支払金利の負担感を求めるもの。→借金を返済できるか。
インタレスト・カバレッジ・レシオ、借入金比率

3.自己資本や負債の構成を求めるもの。→どこまでの累積赤字に耐えうるか。
自己資本比率(逆財務レバレッジ)、負債比率(自他比率、負債レバレッジ)

【関連書籍】
■「倒産回避の経営分析」 石崎忠司、若林和弘 東林出版社 2001.08

倒産回避の経営分析―財務安全性の考え方と調べ方倒産回避の経営分析―財務安全性の考え方と調べ方
(2001/08)
石崎 忠司若林 和弘

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経営指標:収益性(8)EBITA、EBITDA(158/365)

収益性に入れるべきか、判りませんが、EBITAとEBITDAについても、ひとこと。これらは主に企業価値評価の世界などで使用される「利益」の定義です。営業利益、経常利益などと同種ですが、加減算されるものが、異なっています。

EBITAは、Earnings Before Interest Taxes and Amortizationの略で、利息・税金支払前、無形固定資産償却前の利益です。つまり、支払利息、税金等が、利益に与えている影響を払拭する効果があり、例えば、支払利息が巨額なために経常利益が赤字でも、EBITAは黒字になる可能性があります。。
本邦のP/Lをベースに、営業利益・経常利益・当期利益(税引き後)を元に算出すると、以下の算式になります。(すいません、実は余り自信がありません)

EBITA=営業利益±営業外損益+支払利息±特別外損益+無形固定資産償却費=経常利益+支払利息±特別外損益+無形固定資産償却費=当期利益(税引き後)+支払利息+無形固定資産償却費+法人税等 …(1)

EBITDAは、Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略。EBITAに、更に減価償却費を加える(戻しいれる)イメージになります。

EBITDA=営業利益+減価償却費±営業外損益+支払利息±特別外損益+無形固定資産償却費=経常利益+減価償却費+支払利息±特別外損益+無形固定資産償却費=当期利益(税引き後)+減価償却費+支払利息+無形固定資産償却費+法人税等 …(2)

経営指標:収益性(7)資本利益率、RORAC、RAROC(157/365)

業種・業態等によっては、ROEに似た、ROC(Return On Capital、資本利益率)という指標が使われる場合があります。

資本利益率(%)=利益/資本×100 …(1)


この場合は分母の定義が「資本(capital)」となり、一般的な「自己資本(Equity)」とは異なった定義(範囲)とされているケースが多いです。自己資本の一部(Tier3等)を除外したり、逆に負債の一部(劣後ローン等)を含めるなど。

例えば、銀行業界などで使われるRORAC(Return on Risk-Adjusted Capital、リスク調整後資本利益率)などです。「RAC」の部分ですが、明示されているので判りやすいですね。リスク控除後資本利益率とも呼びます。

RORAC(%)=利益/資本×100 …(2)

他に、RAROC(Risk Adjusted Return On Capital)もあります。こちらの場合は、通常、分母(資本)に加え、分子(利益)の方もリスク調整(控除)するので、なお、ややこしくなってます。

RAROC(%)=リスク調整後利益/資本×100 …(3)


これらは、リスクをより厳密に管理し、リスクと収益を対比したマネジメントをおこなうために、利用されています。
【関連書籍】
「金融機関の統合的リスク・自己資本管理態勢」 藤井健司、池尾 和人 金融財政事情研究会 2008.2

金融機関の統合的リスク・自己資本管理態勢 (金融検査マニュアルハンドブックシリーズ)金融機関の統合的リスク・自己資本管理態勢 (金融検査マニュアルハンドブックシリーズ)
(2008/02)
藤井 健司池尾 和人

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経営指標:収益性(6)損益分岐点売上高、損益分岐点比率等(156/365)

損益分析点分析(CVP分析)とは、費用を固定費と変動費に区分して、固定費と変動費率を用いて売上高との関係を分析するものです。
損益分岐点売上高(break‐even point)は、損益が均衡する売上高のことです。つまり、もしこの売上高だと費用が同額のため、利益がゼロになります。

損益分岐点売上高=固定費/(1-変動費率) …(1)


変動費率は、売上高に占める変動費の割合(構成比)なので(1)式を変形すると

変動比率(%)=変動費/売上高×100 …(2)
損益分岐点売上高=固定費/{1-(変動費/売上高)}=固定費/(1-変動費率) …(3)

損益分岐点比率は、損益分岐点売上高と実際の売上高の割合を示します。

損益分岐点比率(%)=損益分岐点売上高/売上高×100 …(4)


固定費と変動費の区分は簡単ではない、売上・費用分析はより詳細な単位で別途おこなうなどのため、この分析を実務で適用することは多くはありません。ただ、概念的には非常に重要なので、ぜひ理解しておきたいものです。
なお、例えば、ビジネス構造自体を変革すると、各要素が一変してしまうことには留意が必要です。

損益分岐点分析に関係する他の概念も整理しておきます。
限界利益(marginal profit)は、売上高から変動費を差し引いたもので、利益がゼロ(損益分岐点売上高)では、固定費と同額になります。

限界利益=売上高-変動費=固定費+利益 …(5)


貢献利益(Contribution Margin)は、限界利益から管理可能な固定費を差し引いたもの。但し限界利益=貢献利益とする説もあるようです。

貢献利益=限界利益-管理可能固定費 …(6)

経営指標:収益性(3)自己資本利益率、財務レバレッジ、投下資本利益率(155/365)

自己資本利益率(ROE)は、自己資本に対するの利益の割合を示します。自己資本≒株主資本で、株主の投下した資本当たりの利益を表していると言えます。自己資本利益率は一般的には5~7%がハードル・レートと言われ、それ以下では、資本コストを賄えないとされます。

自己資本利益率(%)=利益/自己資本×100 …(1)

自己資本利益率は、売上高利益率(当期利益/売上高)、総資本回転率(売上高÷総資本)、財務レバレッジ(総資本/自己資本)の3指標を乗じたものに変形できます。

自己資本利益率(%)=(利益/売上高×100)×(売上高/総資産)×(総資産/自己資本)…(2)

売上高利益率、総資本回転率は既出ですが、財務レバレッジは、自己資本比率の逆数です(倍率で表示されますが、同じ概念です)。

財務レバレッジ(倍)=総資産/自己資本 …(3)

一般に税金を考慮しない「経済学」の世界では、負債と資本を区別しません。両者の有利・不利はコストの差異で決まり、単純に負債(借入)が有利とは限りません(資本のコストは算定が困難かもしれないですが)。ただ、実際には借入金利は税務上損金となるため、一般的に資本より有利になります。そのため、財務レバレッジを高めることは、経営効率を上げると言われます。

なお、企業全体ではなく、事業の収益性を見る場合などは、投下資本利益率(ROI、Return On Investment)が使われます。これは投入する資金に対するリターンを見るもので、自己資本利益率(ROE)というより、総資本利益率(ROA)に近い概念かもしれません。

投下資本利益率(%)=利益/投下資本×100 …(4)


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