野口悠紀雄先生講演会「技術革新と働き方改革について」

2017.6.23に行われた早大大学院の野口悠紀雄先生の特別講義「技術革新と働き方改革について」を聴講して来ました。
http://www.waseda.jp/wnfs/forum/forum1.html
5月の開催から、場所が日本橋キャンパスから早稲田に移っています。

ポイントをメモ。

-働き方の改革には生産性向上が不可欠。サービス業で非正規が多いのは、生産性が低いため正規化が困難という理由。

-フレックスタイムやテレワーキングなどは、個人の仕事の範囲や責任が不明確な日本の組織における働き方には馴染まない。

-ルームシェアのair b&b、ライドシェアのUber等のシェアリンクエコノミーはフリーランサーとしての働き方を可能にするが、日本では規制が実現を妨げ。

-ブロックチェーンによる自動化は供給者と需要者を直接的に結び付け、仲介サービスを不要にし、手数料をほぼゼロにする。air b&bやUberも不要になる。

-クラウドソーシングは能力のシェアリング。これは受注者の賃金率を引き下げる危険性が大。特にIT。

-仮想通貨によりフリーランサーの課金が容易になる。



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経済同友会「経営者はデジタル・マインドセットに切り替えよ」 デジタル・マインドセット チェックリスト

経済同友会の、2016年度先進技術による経営革新委員会からのテクノロジー関係の提言&チェックリストです。

大企業~中小企業までの、(企業ではなく)経営者個人のマインドに関するチェックリスト。各項目を5段階から選択し、デジタル・マインドセットの到達度を測るものとのこと。

■経営者はデジタル・マインドセットに切り替えよ -デジタル・マインドセット チェックリスト-(2017.5.29)
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2017/170529a.html


いわゆる成熟度モデルになっています。

なお、デジタル・マインドセットが何かは、このドキュメントでははっきりと定義されていません。
デジタル分野のテクノロジーに関して、このチェックリストで成熟度が測定されるマインドセットということでしょうか。

戦略・施策等の策定~システム開発までの概要(1)



少し前に、某みずほFGのシステム更改プロジェクトについていろいろと噂話が飛んでおり非常に興味深く拝見しておりましたが、あの件に限らずシステム開発というのは難しいものです。

コンサルの観点から、戦略や施策の策定からシステム開発までの手順をみると、例えば概ね以下のようなステップになります。

1. 戦略や施策の策定

2. 業務の設計

3. システム要件の定義

4. システムの開発


いわゆるウォーターフォール型のSIを前提にしていますが、このレベルではPKG適用等でもあまり変わらないかと。
(そうでもないという声も)

ステップごとの内容と企業の担当、コンサルタント等の外部関与者について簡記します。

「1. 戦略や施策の策定」とは、ビジネスとして具体的に何をやるか(又はやらないか)を決めることです。戦略と施策の違いはレベル感で、誰の視点かで変わる場合もあります。
企業側の担当は、それぞれの業務の担当でシステム開発では一般に、ユーザー(User)又はエンドユーザーと呼ばれます。
コンサルが関与する場合は、経営コンサルタント(例えば戦コン等)です。

「2. 業務の設計」とは、戦略や施策を実施するために必要な業務(オペレーション)を詳細に設計することです。業務デザイン、業務要件定義などとも。
こちらも当然ユーザーの担当ですね。
担当コンサルは、業務コンサルタントと呼ばれます。会計コンサル、生産管理コンサル等の機能別コンサル、SI会社系のITコンサルもほとんどもこちらの範疇です。

「3. システム要件の定義」は、具体化された業務のうち、システムで実現する範囲と内容を決定するものです。
ここから企業側は、システム部(IT部門)、いわゆる情シスが主担当になります。ユーザーは関与しても補助的です。
このステップにITコンサルが関与する場合もありますが、SE等のIT技術者がメインになるでしょうか。

「4. システムの開発」は、文字通りシステムを開発するものです。PKGの適用やカスタマイズ等も含みます。
企業側はシステム部(IT部門)、いわゆる情シスが主担当です。ユーザーは関与しても限定的です。
コンサルはこの段階ではもうあまり出番は無く(PMOメンバーやアドバイザーとしての関与は有り得る)、開発するIT会社のSE、PG、PMなどのIT技術者(以下、SE等と略)の担当です。

といった、感じでしょうか。
(つづく)



本社、支店、営業所 他

先日、「支店、分店、暖簾分けの違い」というエントリをアップしたのですが、本社、支店、営業所等の定義や関係はどうでしょうか。

企業では、一般的には、本社、支店、営業所あたりが使われます。
本社は、主たる業務をおこなうところ。間接部門を含む。法律用語の「本店」を使うのは、銀行などの金融機関くらいでしょうか。
支店、営業所は、従たる業務をおこなうところ。多くはエリアの営業の拠点です。支店だとビルのワンフロア以上、営業所は1室といった(勝手な)規模イメージ。支店より規模の大きなイメージの支社や本部を使う企業もありますね。営業所の代わりに事務所、小売や飲食だと店とかも。

本社 >> 支社・本部 >> 支店 >> 営業所・事務所・店


メーカー等の製造関係だと、工場、事業所などもよく使われます。これらは製造の拠点で、規模イメージは支店/営業所の関係と同様です。

本社 >> 工場 >> 事業所


なお、上記の規模感は(管理人の)おおまかなイメージで、従業員数人の支社や数千人規模の事業所なども実際にあります。

ちなみに、役所の統計では、上記のような一般的な使われ方と異なり、列挙したような拠点をすべて「事業所」として扱います。
また商業登記法では、営業所という概念の下に、本店と支店がある、という建付けになっています。

営業所 - 本店/支店


その他、商法や新設された会社法を含め、使われる用語や相互の関係が微妙に異なっているようで、法的に厳密な定義が知りたい方は、それぞれの専門のサイト等でご確認下さい。

芳林堂の破綻(5)買掛金の精算が困難→廃業

芳林堂の破綻に関係する取次の太洋社の状況については、以下のサイトに出版社の方が書かれた記事が。

■日本出版社協議会:太洋社は自主廃業できるのか
http://shuppankyo.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-890a.html


以前のエントリ(これこれ)では一応、与信や支払条件の変更等と書きましたが、約束の期日に支払がなされない、要するに売掛金(書店側では買掛金)の延滞が多数発生していたということですね。
帳合(取次)を変更しようにも、その買掛金を精算できない書店が廃業と、ほぼ推測通りの内容です。

太洋社も、当初目指していた自主廃業(任意整理)ができるか、非常に難しい情勢のようです。

芳林堂の破綻(4)CNET Japanの関連記事

書店の芳林堂の破綻についてエントリを上げて来ました。

書店 芳林堂の破綻(1)商流と連鎖倒産のパターン
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2537.html

書店 芳林堂の破綻(2)仕入と与信の停止?
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2538.html

書店 芳林堂の破綻(3)取次から書店への与信:商社金融
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2539.html

CNET Japanにもこの件に関する記事が上がっています。

■芳林堂も破産、書店閉店が止まらない日本--書店復活の米国との違いとは?(2016.2.26)
http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35078425/


日米の書店や業界に関するデータが整理されていますので、ご参考に。

書店の、取次との取引関係を「帳合」と言うのですね。芳林堂は、太洋社から帳合変更できなかったということ。

書店 芳林堂の破綻(3)取次から書店への与信:商社金融

芳林堂の破綻の件、最初のエントリに続き、前エントリでは、取次の破綻に伴う書店の連鎖破綻について理由を推定しました。そのひとつとして挙げたのは、取次が芳林堂に与信していたのではないかということ。今回は、その与信の方法についてです。

与信の方法として、貸付(融資)、出資、リース、債務保証等がすぐ思い浮かびますが、それら以外に、締日・支払日や手形期間等の支払条件を用いた支払の先送り(後払い)による実質的な金融機能があります。これらは、主に商社や卸等の仲介業者により提供され、商社金融などとも呼ばれます。

商社金融に関係する主な支払条件
1. 締日

2. 支払日(支払期間)

3. 手形期間


1の、締日は売買の基準となる日で、その日付までの金額で卸等の請求金額(=売上金額)と小売店の支払金額(=仕入金額)が決まります。個人のクレジットカードでもこの締日は有りますね。締日を後送りすると、小売店側からみると支払義務自体が生じないのでお金を借りているのと同様の効果になります。

2の、支払日は、文字通り小売店が支払する日で、締日からの支払期間等で定めます。「月末締め、翌月末払い」とか。クレジットカードだと決済日です。支払日を後送りすると、小売店側からみて支払が生じないのでこれもお金を借りているのと同様の効果になります。

3ですが、商売における支払方法には一般的に、現金払いと手形払いがあります。現金払いには、文字通り現ナマで払う方法だけでなく、振込や自動振替、小切手も含みます(というかこちらが通常です)。手形払いは、約束手形という有価証券を振り出す等の方法です(為替手形もある)。クレジットカードの決済日に、更にクレジットカードで支払う、みたいなイメージになります。
2で決めた支払日に現金で支払うのではなく、更に手形払いにすることで、小売店側は現金流出を更に先送りできます。これも手形を使っている以上、信用の供与そのものです。

書店の場合、これらに委託販売に伴う返品の精算が絡むため、そこにも調整の余地があったのではないかと推定します。書店(小売店)側からも請求があり、その相殺の額やタイミング等です。
(新刊本の返品率は60~70%とも言われるようで、出版業界の闇そのものです。)

書店 芳林堂の破綻(2)仕入と与信の停止?

前回のエントリ、書店チェーンの芳林堂の破綻の件は、一般的に商流における典型的な連鎖倒産である売掛金等の回収困難とはちょっと違うだろう、という話でした。今回はその理由を。

本の流通は以下のような商流でした。

出版→取次(太洋社)→書店(芳林堂)→消費者


主要仕入先の取次が破綻した結果、書店も連鎖的に破綻した主な理由として、以下の2つが考えられます。
(あくまで推定です)

1. モノが仕入れられなくなった。

2. 取次から受けていた実質的な金融機能(与信)が受けられなくなった。


1は、卸である取次が破綻したのだから、モノ(本)が仕入れられなくなるのは当然だろう、とも思えますが、通常は他の取次から仕入が出来るはずです。取次も商売なので、新たな販売先を常に探している訳で。
前回エントリで引用した帝国データバンクの情報にも、太洋社は「主力」仕入先とあって、他にも仕入先はあったはずです。ところが、それはできなかった。つまり、芳林堂の信用がすでに極度に低下していて、他の取次は肩代わりしなかったということです。

2は、少しややこしいですが、取次である太洋社が芳林堂に何らかの形で実施的な金融機能を提供、つまり与信をおこなっていたという推測が前提。太洋社の債務整理の開始で、この与信が途絶えたため、芳林堂の資金繰りが破綻した、という見方です。
与信というと、金銭の直接的な貸付(融資)がすぐ思い浮かびますが、それだけではなく、支払期間の繰り延べ等の支払条件を調整する方法もいろいろとあり。書店は基本的に現金販売で、消費者から代金を現金回収するいわゆる日銭商売なので、取次が支払条件を調整してくれるなら、たとえ経営状態が悪化しても、なかなか倒産しづらい業態です。
しかし、取次自身が整理をはじめれば、それも困難になる訳です。
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「生涯一コンサルタント」として、ダウンシフトしながら、人生晩年を迷走中です。

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