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芳林堂の破綻(4)CNET Japanの関連記事

書店の芳林堂の破綻についてエントリを上げて来ました。

書店 芳林堂の破綻(1)商流と連鎖倒産のパターン
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2537.html

書店 芳林堂の破綻(2)仕入と与信の停止?
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2538.html

書店 芳林堂の破綻(3)取次から書店への与信:商社金融
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-2539.html

CNET Japanにもこの件に関する記事が上がっています。

■芳林堂も破産、書店閉店が止まらない日本--書店復活の米国との違いとは?(2016.2.26)
http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35078425/


日米の書店や業界に関するデータが整理されていますので、ご参考に。

書店の、取次との取引関係を「帳合」と言うのですね。芳林堂は、太洋社から帳合変更できなかったということ。

書店 芳林堂の破綻(3)取次から書店への与信:商社金融

芳林堂の破綻の件、最初のエントリに続き、前エントリでは、取次の破綻に伴う書店の連鎖破綻について理由を推定しました。そのひとつとして挙げたのは、取次が芳林堂に与信していたのではないかということ。今回は、その与信の方法についてです。

与信の方法として、貸付(融資)、出資、リース、債務保証等がすぐ思い浮かびますが、それら以外に、締日・支払日や手形期間等の支払条件を用いた支払の先送り(後払い)による実質的な金融機能があります。これらは、主に商社や卸等の仲介業者により提供され、商社金融などとも呼ばれます。

商社金融に関係する主な支払条件
1. 締日

2. 支払日(支払期間)

3. 手形期間


1の、締日は売買の基準となる日で、その日付までの金額で卸等の請求金額(=売上金額)と小売店の支払金額(=仕入金額)が決まります。個人のクレジットカードでもこの締日は有りますね。締日を後送りすると、小売店側からみると支払義務自体が生じないのでお金を借りているのと同様の効果になります。

2の、支払日は、文字通り小売店が支払する日で、締日からの支払期間等で定めます。「月末締め、翌月末払い」とか。クレジットカードだと決済日です。支払日を後送りすると、小売店側からみて支払が生じないのでこれもお金を借りているのと同様の効果になります。

3ですが、商売における支払方法には一般的に、現金払いと手形払いがあります。現金払いには、文字通り現ナマで払う方法だけでなく、振込や自動振替、小切手も含みます(というかこちらが通常です)。手形払いは、約束手形という有価証券を振り出す等の方法です(為替手形もある)。クレジットカードの決済日に、更にクレジットカードで支払う、みたいなイメージになります。
2で決めた支払日に現金で支払うのではなく、更に手形払いにすることで、小売店側は現金流出を更に先送りできます。これも手形を使っている以上、信用の供与そのものです。

書店の場合、これらに委託販売に伴う返品の精算が絡むため、そこにも調整の余地があったのではないかと推定します。書店(小売店)側からも請求があり、その相殺の額やタイミング等です。
(新刊本の返品率は60~70%とも言われるようで、出版業界の闇そのものです。)

書店 芳林堂の破綻(2)仕入と与信の停止?

前回のエントリ、書店チェーンの芳林堂の破綻の件は、一般的に商流における典型的な連鎖倒産である売掛金等の回収困難とはちょっと違うだろう、という話でした。今回はその理由を。

本の流通は以下のような商流でした。

出版→取次(太洋社)→書店(芳林堂)→消費者


主要仕入先の取次が破綻した結果、書店も連鎖的に破綻した主な理由として、以下の2つが考えられます。
(あくまで推定です)

1. モノが仕入れられなくなった。

2. 取次から受けていた実質的な金融機能(与信)が受けられなくなった。


1は、卸である取次が破綻したのだから、モノ(本)が仕入れられなくなるのは当然だろう、とも思えますが、通常は他の取次から仕入が出来るはずです。取次も商売なので、新たな販売先を常に探している訳で。
前回エントリで引用した帝国データバンクの情報にも、太洋社は「主力」仕入先とあって、他にも仕入先はあったはずです。ところが、それはできなかった。つまり、芳林堂の信用がすでに極度に低下していて、他の取次は肩代わりしなかったということです。

2は、少しややこしいですが、取次である太洋社が芳林堂に何らかの形で実施的な金融機能を提供、つまり与信をおこなっていたという推測が前提。太洋社の債務整理の開始で、この与信が途絶えたため、芳林堂の資金繰りが破綻した、という見方です。
与信というと、金銭の直接的な貸付(融資)がすぐ思い浮かびますが、それだけではなく、支払期間の繰り延べ等の支払条件を調整する方法もいろいろとあり。書店は基本的に現金販売で、消費者から代金を現金回収するいわゆる日銭商売なので、取次が支払条件を調整してくれるなら、たとえ経営状態が悪化しても、なかなか倒産しづらい業態です。
しかし、取次自身が整理をはじめれば、それも困難になる訳です。

書店 芳林堂の破綻(1)商流と連鎖倒産のパターン

書店チェーンの芳林堂が経営破綻とのこと。

■書籍・雑誌小売「芳林堂書店」「コミックプラザ」を展開
株式会社芳林堂書店 破産手続き開始決定受ける 負債20億7500万円(2016.2.26)
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4143.html


従前から本店の閉店と自社ビルの売却、その他店舗の閉店等のリストラを進めていたようですが、資金繰りは厳しかったようです。

そこへ、

2月5日に主力仕入先である書籍取次の(株)太洋社(東京都千代田区)が自主廃業も想定し、会社の全資産の精査などを進める方針を明らかにしたことで動向が注目されていた。
(上記より引用)

とのこと。

つまり、取次の破綻に伴い、連鎖的に破綻したようです。
これ、一般的な商流からみると少しおかしくて、おそらく書店業界独特のパターンかと。

ビジネスの商流は、一般的に、

メーカー→卸→小売→消費者

となります。
ちなみに、お金の流れ(金流)は、これと逆になります。商製品とお金が交換されるのが商売ですから。
商製品を販売した取引先(販売先)が破綻して売掛金等を回収できなくなり、元々苦しかった資金繰りが行き詰まって自社も破綻するのが、いわゆる連鎖倒産の典型的なパターンです。
つまり、商流とは逆の方向(金流の方向)に連鎖していく訳です。

本の流通だと商流は、

出版→取次(太洋社)→書店(芳林堂)→消費者

なのですが、今回は主力仕入先である取次の破綻にともない(逆ではなく)商流の通りに、書店が連鎖しています。つまり、先のような連鎖倒産の典型的なパターンではないようです。

(少し長くなったので、以降は次回エントリにて)

国内出張の宿泊料の扱い

一般財団法人労務行政研究所のおこなった国内出張における宿泊料(宿泊費)に関するアンケート。

■訪日外国人増加に伴いホテル代高騰
国内出張時の宿泊料に関する緊急アンケート(2016.2.25、PDF)
http://www.rosei.or.jp/research/pdf/000067706.pdf


関西には、今でもたまに行くのですが、本当に宿が取れませんね。特に安宿。

アンケートでは、宿泊料を実費で支払うというのはごく少数です。
宿泊料の分布がずいぶん高い方へ偏ってるなと思ったら、宿泊料だけでなく朝夕食込の1泊2食(いわゆる「泊2」)の価格を含んでいるのですね。このあたりは宿のメインが「旅館」だった時代のなごりなんでしょうか。ずいぶんと古風に感じます。

過去に勤務した企業でも、国内出張における宿泊費の扱いは様々でした。
1. 宿泊費実費(上限なし)+日当
2. 宿泊費実費(上限あり)+日当
3. 宿泊費実費(朝食込み、上限なし)+日当
4. [宿泊費+日当]の定額

日当部分を含めると、趨勢としては、デフレ・不況に伴い徐々に厳しくなっていきました。また、「上限なし」だったパターンでもガイドラインみたいなのはあったので、シティホテルに泊まるのは、なかなか心情的に難しかったです(←気が弱い)。

シャープの件 なぜ産業革新機構ではなく鴻海なのか?

シャープの経営再建の件、まだ決定ではないものの、スポンサー候補として台湾企業の鴻海(ホンハイ)精密工業が優位になっているとの報道。7,000億円を超える出資を予定しているそうで、よい方向と思います。

そもそも、なんで産業革新機構という役所が無理やり関わろうとしているのか、よく判りません。
報道ベースですが、産業革新機構の案では、機構の出資額を上回る3,500億円の実質的な債務免除を金融機関に要求しているそうで、実態は私的整理でしょう。出資予定の3,000億円は借入又は社債で調達となりますが政府保証が付され、焦げ付いた場合は我々の税金で負担することになります。なんで、ポンコツな電機会社を、経営能力も持たない役所が税金を元手に国策支援するのか、まったく意味不明です。

鴻海だと技術や知的財産が国外流出する、とか騒ぐ方もおられるようですが、企業の技術や知的財産等は、製品化しその製品が売れて利益を上げられる、又はその見込があってこそ、始めて評価されるものです。シャープの場合、(どちらの案にしても)6,500~7,000億円超もの金融支援が必要でマーケットの望む製品開発がまったく出来ていない、そんな状況にある企業の技術力とか、知財に意味を見出すのは困難。産業革新機構という役所が、それを補えるはずもありません。

オールジャパンとか、日本勢…みたいな情緒的なことを言っても、企業経営においては百害あって一利なし。いや、産業革新機構なら少なくとも3,500億円(金融機関の負担)、そしておそらく再建はできないので追加で3,000億円税金で負担となる訳で、日本企業や日本人にとっても、大きなマイナスです。

万一、鴻海傘下で上手くいけば技術力のある国内の雇用が多少は維持されますし、失敗した場合には台湾企業が減損をくらうだけ。日本人や日本企業には、何も悪いことはないのです。

マイナンバー 内閣府番号制度担当室長向井治紀氏インタビュー

マイナンバーに関するインタビュー記事のご紹介。

■【本音で訊く! マイナンバーの深層&真相&新相(4)】
番号制度の誤解と本質的な狙い(2015.11.16)
http://hanjohanjo.jp/article/2015/11/16/3414.html


内閣府大臣官房番号制度担当室長で内閣官房内閣審議官も兼務する向井治紀氏へのインタビュー。
少し長いですが、実際に制度設計をおこなった方が、平易な言葉でマイナンバーへの疑問等について回答しています。マイナンバーに対するよくある誤解が払拭でき、また行政側による公式見解の整理としても、一読の価値あり。

なお、NHKの受信料徴取のところだけは、ちょっと違うのではないか、と少し違和感ありました。

このサイト「HANJO HANJO」のマイナンバー特集というカテゴリーには、他にも参考になる記事があります。
[参考]
■HANJO HANJO >> マイナンバー
http://hanjohanjo.jp/special/recent/183/マイナンバー

成功事例と失敗事例から学ぶ

過去の事例やケースからの学びについて。

業務プロセスや仕組みなどは、成功事例、ベストプラクティス等から、学べることが非常に多いです。トランスファー(Transfer)やベンチマーキング(Benchmarking)が有効に機能しやすい。

それに対して、戦略やマーケティングについては、成功事例だけでなく、失敗事例からも学ぶのが上策です。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という奴でして。戦略の成功事例やケースと言われるものを学んでも、そのほとんどは、運やタイミング、経営環境又は経営者等の個別の超絶した能力、スキルなどに依存しています。「なるほど」とは思っても、実践が困難なケースが実は多いのです。「MBA戦略ケースブック」みたいな表題の本(←こんなのがあるかどうか知らないですが)を読んでも、自社の戦略の参考になるかと言うと…。

あと、戦略の基本は競争なので、すでに成功している企業と同じことをしては、そもそもダメな訳です。成功事例はもちろん分析しますが、失敗事例も研究し、その後追いをしないように努めながら、独自の戦略を練ると。

なお、成功事例や失敗事例を元にしながら、環境要因や特殊要因を排除し、概念化、抽象化された戦略定石というのもいろいろあり、これらからも学べますね。
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「生涯一コンサルタント」として、ダウンシフトしながら、人生晩年を迷走中です。