ASBJ 仮想通貨の会計ルール原案

2017.10.6付、日本経済新聞の金融経済面より。

■仮想通貨の会計ルール原案 価格下落なら損失処理 基準委(2017.10.6)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2194128005102017EE9000/


企業会計基準委員会(ASBJ)は「仮想通貨に係る会計上の取扱いに関する指針」プロジェクトで仮想通貨の扱いを検討しており、指針の原案が示されたようです。(6月末の審議資料についてはこちら
書き手が素人なのか、又は無理に要約等したのか、とても読みにくい記事です。
(ASBJからのリリースは今のところまだ出ていません)

記事によると、仮想通貨の会計上の扱いは時価処理となり、概要は以下の通り。

-仮想通貨は時価で貸借対照表(B/S)の資産に計上。
-企業が最も頻繁に利用する取引所の価格を時価とし、流動性が乏しい場合は取得価額。
-顧客資産を預かる仮想通貨取引所の場合は、資産と同額の負債も計上。(これは預金を負債に計上する銀行経理と同じような処理ですね)
-毎期末に時価で再評価(洗い替え)し、差額を損益(仮想通貨運用損益等)として損益計算書(P/L)に計上。



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収益認識会計基準(公開草案)の学習(0):はじめに

企業会計基準委員会(ASBJ)の公表している企業会計基準公開草案第61号「収益認識に関する会計基準(案)」(以下「収益認識ED」と略)については、公表時に記事を書き、ASBJの方が講師の勉強会に参加しました。

IFRS15号(Revenue from Contracts with Customers、顧客との契約から生じる収益)は、当時は公開草案でしたが仕事で学習&分析した経緯があり、その復習を兼ねて、収益認識EDも少しキチンと学習するかということで、その成果を徐々にこちらに上げていこうかと。

なお、他の話題と入り混じりながら時々のエントリとなり、かつ遅々として進まず、という状況に至ることも容易に想像できるため、生暖かい目で見守って頂けると幸いです。
出来る限り記事間をリンクして読み易いように努め、テーマとしてまとまるようであれば、編集してまとめ記事にするようなことも考えます。まずは、そのための素材を細々と。

経理の詳細な実務等は(まったく得手ではないので)本職の会計士や会計実務家にお任せし、業務や業務を管理するシステム、経営情報等との兼ね合いなどを念頭に置いた判り易い記述にしたいと考えております。
よろしくお願いします。



日経「国際会計基準IPO企業に拡大」

2017.9.22日本経済新聞の投資情報面の記事。「国際会計基準IPO企業に拡大」、副題は「海外マネー調達も期待 M&Aの「のれん」突然の損失リスクも」。

企業側と投資家側の両方の視点で脈絡なく記事が書かれているので、ちょっと判りにくい記事ですね。

IFRSが新規株式公開企業にも広まり始め、その理由を投資家やファンドなど海外マネー取り込み狙いや海外子会社の会計処理容易化と、企業側視点から説明。

他方、「損失リスク」云々のところは投資家側の視点で、日本基準と異なりIFRSでは、のれんを定期償却せず減損が突然表面化する(こともある)のをリスクと言っている模様。
日本基準でものれん償却は20年以内なので、超長期で非償却とあまり変わらないことも有り得るし、東芝のような巨額の減損もあり。IFRS特有のリスクと言うべきなのかは、疑問ありです。




会計勉強会「「収益認識に関する会計基準(案)」について」

先日、日本証券アナリスト協会が主催する会計勉強会「企業会計基準公開草案第61号「収益認識に関する会計基準(案)」について」を聴講しましたのでメモを。

2017.7.20に公開された「収益認識に関する会計基準(案)」(収益認識ED)に関する説明。
講師は企業会計基準委員会(ASBJ)の小賀坂敦副委員長で、川西晶博ディレクターも陪席。とても明快な話しぶりで、非常に判りやすかったです。

資料はこれまでの講演で使用したものと同一の由。ただ、内容は対象に合わせて(細かい経理手続等ではなく)企業の収益を左右するところを中心にしたとのことでした。

基本的な建付け
まずポイントは、IFRS15号の定めを基本的にすべて取り入れていること。
その上で、適用上の課題に対応するため、国際的な比較可能性を大きく損なわせない範囲で代替的な取扱いを追加的に定めた(適用指針案91~102項)。
つまり基本的にIFRS15号ベースで、一部の現行会計処理方法を追加的に容認している。
なお、EDには注記事項に関する記述がゴッソリ抜けているが、これは強制適用時までに補完の予定。(他に契約コストも削除)

収益認識EDとIFRS15号 170918

その他
-連結財務諸表及び個別財務諸表の両方が対象。(IFRSとは異なる)
-2019.3末決算から早期適用可能。2022.3末決算から強制適用。
-「顧客への支配の移転」で収益を認識。
-あくまで収益に関する基準、取引相手の会計処理は別。
-本人/代理人の判定。百貨店等の消化仕入は売上大幅減。
-自社ポイントの付与は引当金処理から履行義務として識別へ。
-出荷基準、引渡基準(着荷基準)も代替的に容認。(←この点は大きな問題)
-割賦基準は認めない。
-返品権付販売は返品調整引当金処理から売上控除し返金負債計上へ。

なお、出荷基準等を代替的取扱いで容認したことは大きな問題。出荷基準は不正取引の温床であり、撲滅すべきと考えます。

収益認識については、仕事でIFRS15号(ED)は学習しましたが、それっきりでした。すっかりサビついているので、IFRSの復習がてら、今後は収益認識EDの学習を少ししてみる予定。



野村證券 野村嘉浩氏「日本の会計・開示・監査制度を取り巻く環境変化」

証券アナリストジャーナル2017.8号(VOL.55 №8)に、野村證券エクイティ・リサーチ部野村嘉浩氏の「日本の会計・開示・監査制度を取り巻く環境変化」という論考が掲載されています。
副題は「時価総額2兆円超の企業はIFRS適用を」。

1. はじめに
2. 日本企業のIFRS適用状況
3. IFRSの開発状況
4. 日本会計基準の開発状況
5. 開示制度の改革
6. 監査基準の改革
7. 終わりに

(上記より)


以前に、野村氏のIFRSに関する講演を拝聴したことがあります。
数年前から年1回、同種・類似のテーマでほぼ定期的に寄稿されているようです。

会計、開示、監査に関する現時の動向がコンパクトに整理されていますので、ご興味のある方はご一読を。
特にIFRSについては、前半(1~3)に多くの記述が割かれています。





IASB DP「開示に関する取組み-開示原則の概要」聴講

会計勉強会「IASB ディスカッション・ペーパー「開示に関する取組み-開示原則の概要」」に参加してまいりましたのでメモを。

講師は、企業会計基準委員会(ASBJ)の常勤委員川西安喜氏、専門研究員小西健太郎氏。IASBが3月末に出した、以下の開示に関するディスカッション・ペーパー(開示原則DP)に関するものです。

■IASBが財務諸表における開示を改善するためのステップの概要を示す(2017.3.30)
https://www.asb.or.jp/jp/ifrs/press_release/y2017/2017-0330.html


ご承知のように、IFRSは原則として、DP→ED(公開草案)→基準という開発手続を踏みますので、DPは最初の叩き台ですね。
開示原則DPは、日本語訳で110ページほどと、なかなかのボリューム。
講演は80分ほどで、総論として開示の問題点とプロジェクトの目的。そして、各テーマごとの現状、論点、アプローチ(改善案)が簡潔に解説されました。
なお、開示といっても、基本財務諸表(本表)は別プロジェクトで扱うので、こちらの対象は主に注記の部分になります(第5章除く)。

質疑では、DPの書きぶりが抽象的なことに、かなり批判あり。
IFRSの文言、特にDPなどはいつもこんな感じだと思うのですが、ふだんIASBの議論を追っかけておらず、またIFRSにあまり接していない方々には違和感が大きいのかも。
例えば、情報を3つのカテゴリー(カテゴリーA~C)に分けて対処する案が出されているのですが、真ん中のカテゴリー(B)の定義が抽象的なため他のカテゴリー(AとC)との違いが判りにくく実効性に疑われるとか。
会計方針も、カテゴリー1~3に分ける案ですが同様。

また、このような内容を、強制力のある会計基準の一部とすることの是非も議論に。
まあ、この点は、IASBも[質問3]で「効果的なコミュニケーションの原則をにおいて一般開示基準において定めるべきか、強制力のないガイダンスにおいて記述すべきかについて、見解に至っていない」と正直に言ってるので、仕方ないと思うのですが。

[スケジュール]
2017.3.30 開示原則DPの公表。
2017.10.2 開示原則DPへのコメント期限。
2017中? 重要性の適用ガイダンス、重要性の定義の明確化EDの公表。<予定>
2018以降 開示原則の再審議。基本財務諸表DP又はEDの公表。<予定>





東証 会計基準の選択(IFRS任意適用方針)の分析

東京証券取引所(東証)が2017.7.20付で「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示内容の分析について≪2017年3月決算会社まで≫」という資料を公表しています。

■「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示内容の分析について≪2017年3月決算会社まで≫(2017.7.20)
http://www.jpx.co.jp/news/1020/20170720-01.html


IFRSの任意適用及びその方針に関する分析です。(昨年の分析についてはこちら

分析対象である東証上場会社3,537社の決算短信に記載された「会計基準の選択に関する基本的な考え方」から、IFRS適用済会社、IFRS適用決定会社、IFRS適用予定会社、IFRS適用検討実施会社、その他に5区分しています。

IFRS適用済会社、IFRS適用決定会社、IFRS適用予定会社の合計は171社。前年比+30社。
171社の時価総額の合計は188兆円(2017年6月末時点)東証上場会社の時価総額(617兆円)に占める割合は30%(前回公表比+1%)とのこと。

区分社数前回比
IFRS適用済会社125+40
IFRS適用決定会社27-3
IFRS適用予定会社19-7
合計171+30
※ 上記より作成

なお、IFRS適用に関する検討を実施しているのは214社(前回公表比-19社)です。総合計だと385社になりますが、IFRS適用予定会社及びIFRS検討実施会社がともに減少に転じているのが気になります。任意適用方針の企業は、ほぼ出揃ったイメージでしょうか。



ASBJが収益認識に関する会計基準の公開草案を公表

企業会計基準委員会(ASBJ)が「収益認識に関する会計基準」(収益認識会計基準)の公開草案を公表しました。

国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)が共同開発したIFRS15号、Topic606「顧客との契約から生じる収益」とのコンバージェンスを図るものです。

■企業会計基準公開草案第61号「収益認識に関する会計基準(案)」等の公表(2017.7.20)
https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2017/2017-0720.html

関連記事が日経の2017.7.21付投資情報面にありました。

■企業会計基準委が公開草案(2017.7.21)
売上高新基準18年適用可 百貨店などは目減りも


現在、本邦の会計基準には収益認識の基準が存在しません。世界的に高品質な会計基準であると自称しているのに誠に驚くべきことですが、そのため各社や業界が慣行に従って(勝手に)売上を計上しています。

例えば、記事のリードにある百貨店業界は消化仕入という慣行でグロスベースで会計処理していますが、(IFRS等と同様な)公開草案ではこれがネットベースになることで売上が大幅に目減りする見込みです。

このように、収益認識について日本はかなり遅れた状況で、スタートラインより後ろから始めるイメージであり、加えて公開草案の元となったIFRS15号は斬新なもののため、対応はなかなか大変と思います。
あと、タイミング的に消費税(軽減税率含む)対応と絡まないとよいのですが…。

[スケジュール概要]
2017.7.20 収益認識会計基準 公開草案を公表
2017.10.20 公開草案へのコメント募集期限
2017.12.15 米国FASBがTopic 606適用開始
2018.1.1 IASBがIFRS15号適用開始
2018.3? 新基準確定
2018.4.1 早期適用可能(予定)
2021.4.1 強制適用開始(予定)

なお、記事の末尾に、ASBJ小賀坂副委員長のコメントとしてIFRS9号「金融商品」とのコンバージェンスについて「年内にも検討を始めたい」とあり、こちらも非常に気になりました。



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