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IFRSによるリース会計の影響

昨年末の日本経済新聞の記事に日本基準からIFRSへ変更した企業のリース負債の件が。

■国際会計基準、7割が負債増加 82社、10兆円増
リース会計の変更影響 ソフトバンク5000億円押し上げ(2019.12.21)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53601730Q9A221C1DTA000/


日経記事では、「貸借対照表(バランスシート)に計上する「負債」が膨らんでいる」という表現で、まるでIFRSが悪いようですが、IFRSへの変更前の日本基準が、巨額な負債の金額を隠蔽した不適切なものだったということ。それがただ、正常化されただけです。
元IASB議長のデビッド・トゥイーディー(Sir David Tweedie)氏の名言「早く、オンバランス化された飛行機に乗りたい」。(こちらの過去記事より)

R&Iの方が記事で語っているように、オペレーティング・リースの影響が大きな企業については、アナリストや審査担当者は簿外負債をこれまでも推計していましたので、その意味では影響は軽微なはずです。

なお、日本基準もリースをすべてオンバランスする方向で検討中です。





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日経 会計の未来 国際会計基準10年(下)のれんの定期償却

昨年末の日本経済新聞の「会計の未来 国際会計基準10年」という記事に関するエントリの続き。

■熱帯びる「のれん定期償却」 (会計の未来) 国際会計基準10年(下)(2019.12.14)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53326710T11C19A2DTA000/


下での論点は、のれんの定期償却について。

日本基準と異なり、IFRSと米国基準はのれんを定期償却せず、結果としてのれんが大きく膨れ上がっていることへの懸念が背景にあります。
記事は、FASBは定期償却に踏み切るのでは、という憶測を伝え、IASBも同様になるのではないか、という論調。
個人的には、定期償却には反対で、減損プロセスをしっかり機能させればよいだけでは、と思いました。何のための監査でしょうか。


日経 会計の未来 国際会計基準10年(上)営業損益

昨年末の日本経済新聞に「会計の未来 国際会計基準10年」という記事が、上・下2回に分けて掲載されました。遅ればせながらそのメモ。

■国際会計基準、高い自由度 混乱招く 会計の未来 国際会計基準10年(上)(2019.12.12)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53261960S9A211C1DTA000/


上での論点は2つ。

ひとつは、営業損益等の表示がパラついていること。
IFRSでは最終損益である包括利益の表示は求められるものの、途中の営業損益等についての定めは特にありません。IASB理事によると、任意の100社を独自調査したところ営業利益の定義が「9種類も存在」すると。
また、営業利益以外の独自の利益指標の開示も増えているが、これらは経営者業績指標(Management performance measure、MPM)としてIASBは別開示する方向と。

2つ目は、IFRSと日本基準の差異問題。ANAHD(IFRS)とJAL(日本基準)のマイルの扱いを例として挙げています。
コンバージェンス作業によってIFRSと日本基準との差異は縮小しているとはいえ、局所的には多々存在する訳で、これはIFRSを全面的に採用することでしか解決しないでしょう。


ASBJがすべてのリースを資産計上する会計基準開発に着手すると公表

先日、マスコミ報道ベースで、リースの資産計上(オンバランス)扱いに関するエントリを上げましたが、企業会計基準委員会(ASBJ)から以下のリリースが出ています。

■「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂(2019.3.25、PDF)
https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/20190325.pdf


文中のリースに関する会計基準のところ、「すべてのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に着手することを決定」とあり、やっとここまで来たのだなあと、ちょっとジーンとしてしまった情緒的な自分。

すべてのリースが資産計上(オンバランス)扱いに

日本経済新聞によると、企業会計基準委員会(ASBJ)が、リース会計基準を改定しすべてのリースを資産計上(オンバランス化)する方針を決定したとのこと。

■全リースの資産計上、2~3年後めどに適用 ASBJ(2019.3.22)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42785150S9A320C1EA4000/


このブログでは、日本基準ではオフバランス扱いであるオペレーティングリースを含むすべてのリースをオンバランス化すべきと主張しておりましたが、やっと。IFRSを強く支持した理由のひとつも、このリースのオンバランス化でした。(逆に、本邦でIFRSのアドプションが阻まれた理由のひとつもリース基準であった、と言われます。)

現時のリースは、経済実体的に借入+設備等購入と差異がほぼ無いにも関わらず、オフバランス化が許容される、異常な事態が続いておりました。設備投資におけるリースの比重の大きい企業の場合は、財務分析に際してリース分の修正を余儀なくされていました。
ちなみに、IFRS及び米国会計基準では、すでに新リース基準によるオンバランス化の適用が始まっています。

収益認識の総額/純額と商社の売上高

1.収益認識の総額/純額の論点
少し前の、日本経済新聞の連載記事で、とても気になることがありました。

■変わる会計 ルール共通化の波紋3 収益 取引実態で増減(2018.10.24)


IFRS第15号 顧客との契約から生じる収益、そしてそれに準じて制定された収益認識に関する会計基準に関する記事で、特に後段の「商社は突然倍増」のところ。収益認識の総額/純額(本人/代理人)という論点についてです。

2.商社の売上高は減少する?(以前のエントリ)
IFRSの収益認識について、以前に以下の記事をアップしていました。

■IFRSの落とし穴(4)本人当事者と代理人(2010.5.21)
http://mf2007.blog108.fc2.com/blog-entry-833.html

記事は2010.5.21アップで当時のIAS第18号 収益(IFRS第15号の前身)に関するものですが、この収益認識の総額/純額(本人/代理人)という論点自体は改定後のIFRS第15号 顧客との契約から生じる収益でも変わっていません。

このエントリでは、

商社、百貨店(消化仕入れ)、旅行代理店など、これまで総額で収益を計上していた企業では、売上高が大幅に減少することになります。

と、書いています。

3.商社の売上高はどうなった
ところが、先の日経記事では、

大手商社はIFRSの新基準で売上高が突然倍増した
(上記記事より引用)

とあり、三菱商事が2.2倍、伊藤忠商事が2.1倍(いずれも2018年4~6期)と書いています。商社の売上高は、(先の管理人のエントリとは逆に)大幅に増大したということです…。

なぜ、こんなことになってしまったのか。

これまで総額で収益を計上していた企業では、売上高が大幅に減少する

という後段の、ロジックが間違っていた訳ではないのですが、

商社、百貨店(消化仕入れ)、旅行代理店など、これまで総額で収益を計上していた企業

という前段の、事実認識のところが圧倒的に間違っていたようです。
商社では、総額→純額よりも、純額→総額の影響の方が実はずっと大きかったと。

具体的には、収益認識に関する会計基準の適用指針における42項に本人/代理人の判定についての定めの、同2号の支配力基準が適用されて、代理人として手数料分を純額計上していたのを総額として売上計上することになった模様。

一応、言い訳しておくと、この本人/代理人の論点については、会計界隈やマスコミでも「IFRSを導入・適用すると売上高が大幅に減少してしまう!」という論調が圧倒的で、「売上高が倍増する」などまったく思わず。(増えるのなら心配しないか…)

いや本当に、ただの言い訳です。申し訳ございません。





収益認識会計基準(公開草案)の学習(0):はじめに

企業会計基準委員会(ASBJ)の公表している企業会計基準公開草案第61号「収益認識に関する会計基準(案)」(以下「収益認識ED」と略)については、公表時に記事を書き、ASBJの方が講師の勉強会に参加しました。

IFRS15号(Revenue from Contracts with Customers、顧客との契約から生じる収益)は、当時は公開草案でしたが仕事で学習&分析した経緯があり、その復習を兼ねて、収益認識EDも少しキチンと学習するかということで、その成果を徐々にこちらに上げていこうかと。

なお、他の話題と入り混じりながら時々のエントリとなり、かつ遅々として進まず、という状況に至ることも容易に想像できるため、生暖かい目で見守って頂けると幸いです。
出来る限り記事間をリンクして読み易いように努め、テーマとしてまとまるようであれば、編集してまとめ記事にするようなことも考えます。まずは、そのための素材を細々と。

経理の詳細な実務等は(まったく得手ではないので)本職の会計士や会計実務家にお任せし、業務や業務を管理するシステム、経営情報等との兼ね合いなどを念頭に置いた判り易い記述にしたいと考えております。
よろしくお願いします。



日経「国際会計基準IPO企業に拡大」

2017.9.22日本経済新聞の投資情報面の記事。「国際会計基準IPO企業に拡大」、副題は「海外マネー調達も期待 M&Aの「のれん」突然の損失リスクも」。

企業側と投資家側の両方の視点で脈絡なく記事が書かれているので、ちょっと判りにくい記事ですね。

IFRSが新規株式公開企業にも広まり始め、その理由を投資家やファンドなど海外マネー取り込み狙いや海外子会社の会計処理容易化と、企業側視点から説明。

他方、「損失リスク」云々のところは投資家側の視点で、日本基準と異なりIFRSでは、のれんを定期償却せず減損が突然表面化する(こともある)のをリスクと言っている模様。
日本基準でものれん償却は20年以内なので、超長期で非償却とあまり変わらないことも有り得るし、東芝のような巨額の減損もあり。IFRS特有のリスクと言うべきなのかは、疑問ありです。




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「生涯一コンサルタント」として、ダウンシフトしながら、人生晩年を迷走中です。