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野口悠紀雄特別講義「毎月勤労統計問題について」聴講

早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問野口悠紀雄氏の講演を拝聴しました。

■第77回野口悠紀雄特別講義「毎月勤労統計のデータについて」


テーマは話題の毎勤統計問題で、ポイントを列記すると以下。
-2004年から東京都500人以上を抽出調査。補正措置(1/3抽出→3倍)せず。
-抽出が常に問題という訳ではないが、補正措置をしなかったのは問題。
-理由はおそらく単純ミス。「統計」の問題ですらない。
-サンプルの入れ替えは当然有り得る。野党はそんなことを問題にしている場合ではない。
-総雇用者所得=賃金×雇用者数で、総雇用者所得増加は雇用者数(主に女性パート)の増加によるもの。実質賃金は低下、首相答弁は詭弁で問題あり。
-最大の問題はなぜか2011年以前のデータが存在しないこと。今後、実質賃金の議論ができない。ex.公的年金の財政検証へ影響


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齊藤誠先生トークショー「社会人になって読む経済学の教科書」

2017.8.30にジュンク堂書店池袋本店で行われた一橋大学齊藤誠先生のトークショー「社会人になって読む経済学の教科書」を聴講して来ましたので、メモを。

-教科書は、引き返す場所、出発点、冷静に振り返る場所。
-独習の教科書は、厚い、くどい、データ豊富で選ぶ。
-マクロでは非常に重要な金融が相殺され表面に出ない。
-短期の成果うんぬんではなく、歴史的な経緯が重要。またマクロは分配については寡黙。
-資金循環表。
-経済成長は結局イノベーション次第。他は長期では無意味。
-ヒックスの補償原理。クズネッツ曲線。
-BTCは、仮想通貨の技術的にはとても重要。ただ、BTCは創始者や早期の関与者が投機で売り逃げ出来るように、わざと価格が安定しない建付け。長期的に継続し拡大していくとは考えられない。

今回紹介された経済学関係の教科書は、以下の4冊。
1. マクロ経済学:「マクロ経済学」 齊藤誠 他


2. ミクロ経済学:「ミクロ経済学の力」 神取道宏


3. 金融論:「金融」 内田浩史


4. 経済史:「コア・テキスト経済史」 岡崎哲二

野口悠紀雄先生講演会「トランプの経済政策について」

早大大学院の野口悠紀雄先生の特別講義「トランプの経済政策について」を聴講して来ました。
ポイントをメモ。

トランプ氏の経済政策で懸念されるのは、H-1Bビザ(特殊技能職に認められる就労ビザ)の廃止。もし実施されれば、ハイテク技術の才能が海外流出し、米国の技術開発力が低下する懸念が大きい。
Calexit(カリフォルニアの米国からの離脱)を求める声も出てる由。実際には困難だが。

すでにビジネスの生態系やサプライチェーンが全消滅しており、旧来型の製造業はもちろん、ITメーカーも米国での再興は困難。トランプ氏を支持したと言われる白人工場労働者が報われることは無い。
恩恵は、インフラ投資に伴う建設労働者くらい。

中国を為替操作国と認定し、45%の報復関税を課すなど、無理。消費者に反対され出来るはずがない。

TPPは、もともと日米双方にほとんど実効の無い制度。なので発効しなくても影響はない。ただ、すでに独自経済圏の確立に成功した中国にとって邪魔が少なくなったことから、日本に負の側面はある。
日本の経済外交の失敗で、中米に二股を掛けておくべきだった。

日本は、為替の影響で株価上昇、消費者物価もアップするが、実体経済には影響がない。実質消費は増えない。
恐れるべきは、米国の金利上昇に伴う、国内金利の上昇。財政破綻が目前となる可能性あり。

米国のITが凋落しても、日本がそれに成り代わることはない。
日本国内では、中国を未だに発展途上国や、せいぜい製造業の国と捉える人が多いが、まったく間違い。非効率な国営大企業は併存するが、他方でITやサービス、新興企業など、多くの点ですでに日本を大きく凌ぎ、米国に次ぐような国になっている。

野口悠紀雄先生 特別講義「マイナス金利が経済に与える影響について」聴講

早稲田大学大学院ファイナンス研究科でおこなわれる野口悠紀雄先生の特別講義、「第44回 マイナス金利が経済に与える影響について」を聴講してきました。

■早稲田大学 大学院ファイナンス研究科 >> フォーラム・シンポジウム >> 野口悠紀雄 特別講義
http://www.waseda.jp/wnfs/forum/forum1.html


2016年1月下旬、日本銀行の政策決定会合でマイナス金利導入が決まりました。講演は、このマイナス金利がテーマ。

なお、日本銀行の公式見解は以下です。(笑)
■日本銀行:5分で読めるマイナス金利
https://www.boj.or.jp/announcements/education/exp/exp01.htm/

講演では、投資を正当化する条件として以下の簡易なモデルを使い、マイナス金利には悪い影響があるとのご説明。

名目金利 < 実質利回り + 期待物価上昇率


名目金利がマイナスだと、例えば期待物価上昇率がゼロの場合には実質利回りがマイナスの、つまり非効率な投資が正当化されてしまう、と。大切なのは、実質利回りをアップするために資する政策というご意見でした。

他のコメントは、
-日銀は期待物価上昇率の下落により、(上の式をバランスするため)仕方なく名目金利を下げたのだろう。やっていることは財政ファイナンス。
-すでに三大都市圏や中核都市では地価の上昇が見られる。更にマイナス金利による非効率な投資が拡大しバブルとなる可能性も。
-ただ、マネーストックが増えただけで、マネーは増えていない。国債の貨幣化は現時点ではない。

リンク集「野口悠紀雄の使える!「経済データ」への道案内」

野口先生の、DIAMOND onlineの記事を読んでいたら、こんなリンク集のバナーに気付きましたので備忘録として。

■野口悠紀雄の使える!「経済データ」への道案内
http://diamond.jp/list/noguchi_data

DIAMOND online内にある、野口悠紀雄先生が監修したリンク集。「経済」でなく、「経済データ」に限定しているのが特徴的か。

確か、これの原型は、昔は以下のご自分のサイトでやっておられたような記憶が。

■野口悠紀雄online
http://www.noguchi.co.jp/


超整理手帳を常用していたころは、よく拝見しておりました。はい。
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「生涯一コンサルタント」として、ダウンシフトしながら、人生晩年を迷走中です。