宮家邦彦氏「地政学と日本の大戦略」講演

大変ご無沙汰しております。

2016.6.27に、日本証券アナリスト協会が主催する宮家邦彦氏の講演会「地政学と日本の大戦略」を聴講しましたので、少しだけメモを。

宮家氏は外務省出身で外交政策研究所代表。キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)研究主幹を兼務。

■外交政策研究所
http://fpijapan.com/



演題に地政学とありましたが、タイミング的に、ほぼテーマはBrexit(=英国のEU離脱)中心に。
Brexitはあくまで政治的なもので、経済合理性では説明できない。それを経済面からしか見ていないとして、(ある)エコノミストを批判しておられました。
名指しはされませんでしたが、地政学というワードを使っているので、たぶん以下の方ではないかと邪推。

■倉都康行:地政学リスクへの無防備さを露呈した日本
英国のEU離脱で右傾化進む欧州の次のリスクは?(2016.6.27)
http://diamond.jp/articles/-/93768


Brexitは、ポピュリズム(Populism、大衆迎合主義)+ ナショナリズム(Nationalism、民族主義)の代物。これにエンパイヤリズム(Imperialism、帝国主義)を加えた3つに警戒する必要があるとのこと。

Brexit以外でも、ロシアとの北方四島問題やサウジアラビアの内政に関しても興味深いエピソードが聞けました。サウジの内部崩壊は有り得るのかも(個人の感想です)。

なお、資料として新聞記事のスクラップ(A41枚)しか配布されなかったのは、ごく安価とはいえ有料の講演としては、ちょっと遺憾でした。せめてレジュメが欲しかった。

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マイナンバーが重複 役所の付番ミス

TLに「男性2人のマイナンバーが重複」というのが出てきたので、「いったい、どういったシステムトラブルだろうか?」と思いました。

日経夕刊に詳細があり、システムの問題ではなく、役所の担当者の付番ミスのよう。
住民登録が無いままの方(←なのでマイナンバーもない)の転入手続の際に、役所の担当者がカナ同名、同生年月日の別人の住民票コードを紐付けたために、同じマイナンバーが2人に生成されたということのようです。

名前は漢字では異名のようなので、明らかに担当者のミスでしょうが、住民票が無いまま国内に住み続けてる人がいてなぜか急に転入手続をしたというのも異例なので、少し同情します。

国税庁のサイトがダウン(2/10)

昨日、たまたま確定申告に関して国税庁のサイトを見ようとしたら、全然アクセスできませんでした。暫く、ダウンしていたようです。
本日みると、「国税庁ホームページの閲覧障害について」というお知らせがアップされていました。理由は書かれていていません。

ネットではアノニマスのDDoS攻撃との噂ですが、本当なら、財務省→金融庁→国税庁と、ちゃんと役所の格に合わせて順次攻撃しているようで、律儀なものですねぇ。

管理人のは細事でしたので、一日くらいどうでもよいのですが、国税庁が一番活躍する時期ですから、お困りの方も多かったのでは。その意味でも、攻撃側もタイミングをよく考えているのかな、と。

また、政府機関であっても攻撃を防げないのですから、もしも企業が狙われた場合は言わずもがなです。

リスクにはアップサイド、ダウンサイドの両面あり

昨日の時間管理にリスクを反映するというエントリで、

この場合に限りませんが、リスクはふつうプラス、マイナス両方向ある

と書きました。アップサイド、ダウンサイドと書いた方が、よかったかもしれません。

リスクとは、将来の不確実性のこと。
(リスクと不確実性は違う、という議論があることは承知していますが、一応ここでは上記の定義でご勘弁を。)

一般的には、将来、自己(ビジネスでは自社)が不利になったり、不利益をこうむる可能性のことをリスクと言うことが多いです。
しかし、自己の利益になるか、不利益かは、単に現在のポジション下で生じる将来の結果でしかなく、現時点ではどうなるのか判らない(=不確実)というのが、リスクの本質かと。

為替リスク(通貨間の交換比率に関するリスク)がこの典型ですが、現在の1ドル=120円が、例えば円安(1ドル=130円とか)になると、ドルベースなら増えて、円ベースなら目減りします。円高(1ドル=110円とか)になると、ドルベースなら目減りし、円ベースなら増加。プラス、マイナス、つまりアップサイド、ダウンサイド両面ありますが、不確実なのでどちらもリスクです。

なぜか予想外に上手くいったというのも、リスク顕在化の結果のひとつということです。

イアン・ブレマー氏 Top RISKS 2016

「「Gゼロ」後の世界」の著者であるイアン・ブレマー(Ian Bremmer)氏の主宰するeurasia groupによる2016年のリスク予測トップ10。必読。

■Top RISKS 2016(2016.1.4)
http://www.eurasiagroup.net/pages/top-risks-2016


項目は以下。
1. The Hollow Alliance
2. Closed Europe
3. The China Footprint
4. ISIS and "Friends"
5. Saudi Arabia
6. The Rise of Technologists
7. Unpredictable Leaders
8. Brazil
9. Not Enough Elections
10. Turkey
(上記より引用)

2、4あたりは自明ですが、5のサウジアラビアは年初に大きな動きがあったばかり。10のトルコは昨年から引き続きで、8にブラジルが入って来てる…。

ちなみに、昨年のTop RISKS 2015はこちら。実際はどうだったか確認したり、今年と比較するのも一興かと。




領収書のコピー?

昨日、聴講した不正対策の講演のQ&Aコーナーで、「領収書が原本でなければならない根拠を教えてほしい」と質問した人がいて、いろいろな意味でびっくり。

どうも質問者の会社では、領収書の原本ではなくコピーを提出してくる人がいてそれを容認しているようなのです。印鑑が押してない単なるプリントアウトだとか、レシートだとか、スキャンじゃダメかとか、そういうのではないのです。コピー。

まず、原本ではないコピーに証拠力はまったく無いでしょう。そして、根拠は法人税法の帳簿書類の保存義務ではいけないのでしょうか。
更に、なぜ原本が無くコピーだけが存在するのか、また、そもそも領収書をコピーするという行為自体も不思議。不正をおこなうため以外の理由が思いつかない…とか、いろいろモヤモヤする質問でした。

講演会「企業の不正対策の制度設計と不正対応活動のポイント」備忘録

日本証券アナリスト協会の講演会「企業の不正対策の制度設計と不正対応活動のポイント」を聴講しました。講師は、公認会計士・公認内部監査人でボルボ監査役でもある藤井範彰氏。

金融機関等の一部業態を除き、不正対策の制度や活動に力を割いている企業はほとんどないでしょう。(金融機関はオペレーショナルリスクの一部として対応)

キーワードやポイント等をメモとして少々。

-ポテトチップ不正理論、低く垂れたフルーツの不正理論
-経営者の姿勢(Tone at the Top)とは、組織のリーダーにより醸し出される職場の倫理的(もしくは非倫理的)気風。
-Blame culture
-ガバナンス構造:日本型(監査役設置型)は実効性に問題。
-コントロール:ない、運用されない、無効化(override)、迂回
-不正対策:予防(Prevention)、発見・摘発(Detection)、抑制(Deterrence)
-不正リスク対応:不正リスク評価、不正監査、不正調査
-不正対策制度(ハード)整備と不正対策活動(ソフト)の両面が大切。
-不正リスク評価のステップ:要因特定→潜在的不正スキームを特定、優先順位付け→既存コントロールと潜在的不正スキームを関連付けしギャップを特定→記録・報告
-不正のレッドフラグ
-不正(fraud)は詐欺、隠匿または背任の性格を有する不法行為のすべて(IIA)。資産の不正流用、財務諸表不正、汚職(ACFE)。
-似て非なる不正監査と不正調査。
-内部監査には限界。通報制度が有効。

傾斜マンション問題のリスク・マネジメント的な観点(続)

昨日のエントリ、三井不動産グループの開発した横浜のマンションが杭工事の手抜きで傾斜した問題の続き。

もうひとつ、懸念事項を挙げておくと、デベロッパー等が過剰な補償をしたり、規制当局がデベロッパー等に過剰な行政処分などをすること。どうも、そのような憶測が出ているようですが。

三井不動産のような大手にとっては補償など微々たる金額、個別問題へのレピュテーション・リスク対策としてはアリなのかもしれませんし、処分により社会的に鬱憤が晴れるのかもしれませんが、過ぎたるは及ばざるが如し。これからもマンション建設に問題は必ず起きる(!)ので、補償や処分が過剰だと、次に問題が起きた時には、デベロッパーが問題を隠蔽し認めない可能性が非常に高まるだろうと危惧します。

合理性の無い正義感や要求、それに媚びるポピュリズムは社会的に有害無益と思います。
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