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和仁達也「コンサルタントの経営数字の教科書」




部屋の積ん読の山が崩れかけておりまして、緊急に対処を要する事態となっております。特に問題なのが、一部読み止し(読みかけ)で放置している奴で、それらを片付ける運動を展開中。その中の一冊。

■「コンサルタントの経営数字の教科書」 和仁達也 かんき出版 2017.9.11刊


書名にコンサルタントと付きますが、ここでの「コンサルタント」は戦コンや管理人のような業務コンサル等というより、中小企業相手のいわゆるプロコンや税理士など。主な対象読者もそちらで、著者はプロコン向けコンサル事業をされている方のようです。

「お金のブロックパズル」というツールを主に使い、経営数字を把握・提示して、具体的なコンサルへ繋げる一連の手法を提示しています。
「お金のブロックパズル」とは、簡易P/L(概要P/L、概算P/L)のこと。

大昔には、管理人もこの手の仕事をしていたこともありますが、内容自体に違和感はあまりありません。
「お金のブロックパズル」、「お困りごと」といった、ちょっと独特の用語が気にならないのであれば、プロコン、税理士、そしてFPや金融機関で中小企業の経営や事業承継に関わる方等が、一読するのも良いかと思います。





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本人に訊く<壱>よろしく懐旧篇 椎名誠




1980年前半頃に、椎名誠氏のエッセイ?をよく読んでいました。

確か、小学館のアウトドア雑誌「PE-PAL」のキャンプ記事→「わしらは怪しい探険隊」→「さらば国分寺書店のおばば」等のスーパーエッセイという流れでハマった記憶です。
初期のエッセイ群は、スーパーエッセイ、昭和軽薄体などというキャッチコピーが付き、一世を風靡。
特に「哀愁の町に霧が降るのだ」(情報センター出版局)が好きでしたね。情報センターの数冊は、家族が買って来てたような…

■「本人に訊く<壱>よろしく懐旧篇」 椎名誠、目黒孝二 集英社文庫 2019.8.30


「本人に訊く」は、椎名誠氏の全著作について年代順に、書き手の椎名誠氏に対して元「本の雑誌」発行人の目黒孝二氏がインタビューする形式の内容です。
全著作&年代順(=全網羅で時系列)というのがとても良いですねぇ。

まったく知りませんでしたが、初出は椎名誠旅する文学館ホームページ「椎名誠の仕事 聞き手 目黒孝二」で、椎名誠旅する文学館から刊行された書籍(全4巻?)の文庫化です。
「<壱>よろしく懐旧篇」は、1979年刊行の「さらば国分寺書店のおばば」から1994年の「はるさきのへび」までを収録しています。
後半は、知らない本が多かったのですが、思えば、よく読んでいたのは「怪しい探険隊」シリーズや本の雑誌系の奴で、小説はほぼ読んでいない(「岳物語」シリーズの一部のみ)からか。

なお、「本人に訊く<弐>お待たせ激突篇」が2020.1.25刊行され、現在こちらを読んでおります。








「倒産の前兆」帝国データバンク情報部




信用調査会社最大手の、帝国データバンク(TDB)による企業倒産の事例研究。

■「倒産の前兆」 帝国データバンク情報部 SB新書(SBクリエイティブ) 2019.8.15刊


企業倒産の「前兆」というか「原因」や「事象」を、信用調査会社の視点で分析。

[目次(章レベルのみ抜粋)]
1. 業界構造、市況変化の波を打破できない
2. 大ヒット商品が綻びを生む
3. 旧来型ビジネスモデルにしがみつくと老舗は潰れる
4. ベンチャー企業の急成長は急転落の序章である
5. 攻めの投資で上場企業が破綻する
6. 経営陣と現場の乖離は取引先の離反の元
7. 信頼構築のためにトップが不正行為に手を染める
8. 「倒産の前兆」はあなたの会社にも存在する

想定読者は、信用調査実務に関わったり、企業の信用リスク管理を勉強する方々向けでしょうか。あと、より広く、企業戦略やビジネスモデルに関する書籍として読む手も。

文体は帝国データバンクの調査情報を思わせ、アレを読みなれない方にはちょっと癖があるかもしれません。
ビジネスや戦略の専門家ではなく、あくまで信用調査会社の著書なので、細部の書きぶりには所々ちょっとこれは納得できない、というような点も多々あります。
なので、主に事実関係の確認を中心に利用するのが吉かと。

なお、大昔に勤務した会社の同僚の実家(老舗)が、知らぬ間に破綻して事例として掲載されてたので個人的に驚愕。お元気なんだろうか、と。





「会計学の誕生」読了




諸事情により読書の習慣がすっかり失われていました。もともと怠惰な性格なため、期日が決まっているか、定型的な習慣であること以外、あまり長続きしない傾向です。
ところが、これまた諸事情によって、このところ一定の待ち時間が発生することが多くなり、読書習慣も復活しつつあります。外圧がよい方向に作用。

そんな中で読んだ1冊が以下。

■「会計学の誕生」 渡邉泉 岩波新書 2017.11.21刊


体裁は新書ですが、内容的には専門書と言ってよく、対象読者は、会計や簿記の意義や歴史、会計史に興味があったり、学びたい方向けでしょうかね?
Web上でどなたかが推奨されていたので買ってしまった本ですが、単に、会計や簿記を学ぼうとする方が手に取るべき本ではありません。(注意)

[目次(章レベルのみ抜粋)]
序. 複式簿記のルーツを探る
1. 複式簿記の誕生
2. 複式簿記の完成
3. 成果最初の簿記書とその後の進化
4. 会計学の誕生
5. キャッシュ・フロー計算書
終. 会計の本来の役割

会計史にはまったく疎いので知らなかったことばかりですが、特に目から鱗だったのが、例えば複式簿記が先にあり、その簡明化として単式簿記が生まれた、というところ(p82)。単式簿記→複式簿記と進化したと、勝手に思い込んでいたのですが、逆だと。

なお、終章で、測定基準の変化、公正価値会計の存在意義と問題点について論じているように、著者はIFRSや米国会計基準(とおそらくそれに追随している今の日本基準にも)に強く反対する見解です。
その主張のため、過去の会計や簿記の歴史、つまり会計史についてまとめたのが本書のようです。
会計の目的は「信頼される正確な損益計算」であり、それは(未来でなく)過去の、(有用性でなく)信頼性にもとづく、事実計算であると。

ちなみに、管理人はIFRS賛成、資産負債アプローチ派なので、本書(特に終章)とはまったく異なる意見を持っております。(が、ここでは省略)


書籍「未来予測入門」 上田篤盛



2020年、最初に読了したのがこちら。(購入は2019年10月でしたが…)

■未来予測入門 上田篤盛 講談社現代新書 2019.10.20刊


著者は、自衛隊(陸自)で情報関係の仕事をされた方です。そこで培った未来予測の手法をビジネス等に応用(転用?)するというのが本書のコンセプト。

[目次]
1. 未来予測とは何か
2. 情報分析とは何か
3. 未来予測のための情報分析ツール
4. 未来予測のケーススタディ1 将来有望な職種・スキルとは?
5. 未来予測のケーススタディ2 「未来のベストセラーを特定せよ」
6. 未来予測のケーススタディ3 2030年の暮らし方・働き方を予測する

まず未来予測、情報分析について簡単に整理した後、本書のボディである3章でシナリオ・プランニング等の9つの分析手法を解説。
後半では3つのケーススタディを示し、分析手法の具体的な使用法をイメージさせるという構成です。
ビジネスや個人で、将来の何かを予測する場合や、より広く情報分析をおこなう際の入門書として有用と思います。個々の手法に関する解説はごく簡潔なので、後半のケーススタディに加え、別途他の書籍等で補う必要があるかと。

手法については、特に「クロノロジー分析」として「年表」の重要性に言及している点には強く共感しました。「クロノロジー(年表)こそが情報分析の王道」(p75)と。年表大事。

逆に、少し違和感があったのは、p74の「要因相関図」という用語。ドラマの人物相関図みたいな使い方なのかもしれませんが、本来の「相関図(散布図)」は相関関係「だけ」を表した図解なので矢印の方向性(因果関係)は無いはず。矢印で方向性まで示したこういうタイプの図解は「関連図」、「要因関連図」あるいは「因果関係図」等と呼ぶのが妥当かと。
(相関関係と因果関係の違い大事)

太田和彦「おいしい旅 昼の牡蠣そば、夜の渡り蟹」読了



休日的なネタにて。

太田和彦氏の「おいしい旅 昼の牡蠣そば、夜の渡り蟹」を読了。

■「おいしい旅 昼の牡蠣そば、夜の渡り蟹」 太田和彦 集英社文庫 2019.2.25刊


元は「サンデー毎日」の「おいしい旅」連載(2016.12~2018.2)で、一部を選別したもののようです。
新刊書を買うことはめっきり少なくなったのですが、太田和彦氏のはつい買ってしまいます。

掲載地は、倉敷、岡山、神戸、松本、横浜、京都、鎌倉、ニューヨーク、東京。
巻末にお店のデータが25軒掲載されていますが、京都、東京を除きあまり個人的な地縁が無いためか、既訪は京都の「イノダコーヒ 三条支店」と「中華のサカイ 本店」だけでした。
(本文には、書名の一部になっている牡蠣そばの岡山「城見茶屋」のように、25軒以外のお店も出てきます。)


「超予測力」より 超予測者の予測手法を図解



昨日ご紹介した「超予測力」に、超予測者の、予測の一般的な手法、手順が記されていますので、ちょっと図解してみました。(p217)

■「超予測力」 フィリップ・E・テトロック、ダン・ガードナー ハヤカワ ノンフィクション文庫(早川書房)2018.5.10刊



超予測者の予測手法 190104

あくまで一般論ではありますが、知りえる情報と知りえない情報の選別、外側と内側の視点、自他の見解比較、確率の精緻表現など、実に興味深いポイントが列記されています。

このような手法と、逆に最も縁遠いのが、いわゆるイデオロギー的又は宗教的な手法ではないかと考えます。






「超予測力」フィリップ・E・テトロック他 読了



2019年の読了1冊目は、フィリップ・E・テトロック、ダン・ガードナーの「超予測力」。
昨年6月に入手後、断続的に持ち歩いたりして開くものの遅々として進捗せず、1/4程度で停滞。年末年始の意図しないネット断食のおかげでやっと読了しましたが、とても面白くて、座右に置いて再読必至。

予測、戦略策定、シナリオ、意思決定や実行のメカニズム等に興味のある方に、ぜひ読んで頂きたい一冊です。

■「超予測力」 フィリップ・E・テトロック、ダン・ガードナー ハヤカワ ノンフィクション文庫(早川書房)2018.5.10刊


原著は2015年刊、本書は2016年10月に出た日本語版の文庫化。

著者テトロックは米国防省のIARPA(情報先端研究計画局)がスポンサーとなった将来予測の「優れた判断力プロジェクト(GJP)」を主催。そこで発掘された、とても優れた判断力を見せた予測者(超予測者)に関する記述が本書のメイン。
それに附随して、予測や判断等に関連する概念や事例、金言等がてんこ盛り。またスポンサーや予測というものの性質上、インテリジェンス・コミュニティ(Intelligence Community、IC)や軍事・戦争絡みの話も豊富です。
なかなか読み進められなかった理由のひとつが、そういう百花繚乱的な構成のせいでもありました。

予測やその評価とは、本来どんなことであるか。そして、予測を仕事の重要な一部としているはずの政治や経済の評論家、リスクなどのコンサルタント(!)やICや軍事関係の官僚、研究者がおこなっている「予測」がおよそいいかげんで、事後的評価もまったくなされていないことが、本書ではあからさまになっています。

気になった金言的なものをいくつか引用。

「十分に発達した技術というものは、魔術と見分けがつかない」 アーサー・C・クラーク

「事実が変われば、私は考えを変えます。貴殿は?」 ジョン・メイナード・ケインズ ※
※ 実は本人の言ではないらしいことも書かれています。

「戦争においてはすべてが不確実だ」 モルトケ



なお、例えば以前にエントリを上げた「100年予測」「激動予測」等の著者ジョージ・フリードマンは、(本文ですらなく)注(p438)でバッサリやられてます(笑)。

逆に「ブラックスワン」のナシーム・タレブは、当プロジェクトを評価していないとのこと。(p326~)でも、著者テトロックと共同研究したりもしている。
このあたりも面白いところ。

最後に、索引が無いのは本書の大きなマイナスですね。紙の本が電子書籍に大きく劣るのが検索性な訳で、こういう分厚い、小説のように読み捨てでない本に索引は不可欠。システム的には索引の作成など一瞬のはずですし。膨大な注に、本文の参照頁が無いのもかなりダメ。注→本文の参照が出来ません。
本書を含むハヤカワ ノンフィクション文庫のシリーズは、とても良いので、このあたり編集もぜひ頑張って頂きたいところ。






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「生涯一コンサルタント」として、ダウンシフトしながら、人生晩年を迷走中です。