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ルールとマナー

ルール(Rule)とは、人の行動を制約又は強制するもの。
典型的には法令によるものですが、それ以外にも契約や約款、組織の内規や慣習にもとづくルール等も存在します。ルールの対象は「行動」で、強制する以上は責任が伴います。

マナー(Manner)とは、常識、慣習、嗜好等で、他人を強制しないもの。特定の集団の中では比較的多くの支持を集める行動規範です。
マナーは多様で、対象も「行動」だけでなく「心情・信条」等の人の内面も含むなど広範囲。集団やその範囲・線引き等が変わると、まったく違ったりすることも。(食事の席で鼻をかむのはOKか?とか)

ルールとマナーは混同されることがよくあり、慣習や常識についてはどちらか判別が難しい場合も確かにあるのですが、「強制」するものは基本的にルールです。マナーはせいぜい「啓蒙」するだけで、「~せよ」、「~するな」等という言い回しなら、それはルールの範疇かと。

例えば、鉄道会社は優先席や女性専用車両、車中の携帯電話の利用法等を「マナー」と称していますが、非常に多頻度でうるさく強制しており、どう考えてもルールです。トラブル責任回避のためでしょうが、強制するのに責任は負わない「マナーの体をしたルール」は非常に問題だと思います。
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生存バイアス

生存バイアス(Survivorship Bias)とは、生き残ったサンプルのみから(全サンプルを対象とした場合とは異なる)間違った結論を導き出してしまうバイアスのこと。成功バイアス。
世の中には、「成功者は~している」みたいな書籍やテキストが溢れていますが、生存バイアスではないか、と疑うべきものも多いです。

生存バイアスによる間違った結論にも、①ほぼ影響が無いもの(無益無害)、②むしろ悪影響が有るもの(無益有害)、という2種類があり、前者①は「成功者はXX色の財布を使っている」みたいな話です。財布の色は茶色でも黒色でも、成功/不成功とは関係なく、ニュートラルと。

後者②はこれと異なり、結論に従うと、思いとは逆に悪影響があるので、特に非常に問題。
これに類するものとして、爆撃機の被弾分析のケースがよく知られています。

戦闘から帰還した爆撃機(生存サンプル)について、機体のどこに対空砲火等の弾が当たったか分析して、今後の機体防護に反映する。
帰還した機体の「弾痕のあるところをより強く防弾する」というのが成功バイアスで、実は悪手。そこに被弾しても帰還可能で、むしろ弾痕の無い部分こそ、そこに被弾した機体は墜落した訳であり、より強固に防護する必要のある箇所ではないか、というのが正しい結論になります。

ニュー・モノポリー(続)

昨日アップした「ニュー・モノポリー」に関連する記事が日本経済新聞一面に。

■いつのまにか1強多弱 情報総取り、遠のく共存(2019.2.14)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41223410T10C19A2MM8000/


連載記事「データの世紀」の支配の実像③として、主にアマゾン(Amazon)に関する問題事例が挙げられています。ビジネスやITの素人である記者が書く(たかが)新聞記事なので仕方無いかもしれませんが、いろいろな論点がごちゃ混ぜにされ、とても判りにくい記事です。

記載からアマゾンへの出品・商品提供における問題点をあらためて整理すると、以下の3つかと。
①突然出品禁止になる。
②模倣製品を開発し販売される。
③データを独占される。

これらは、別の話なので、対策や対応もそれぞれ考える必要があります。それをごちゃ混ぜにしている記事は、「なんかアマゾン悪い奴」みたいな印象操作が狙いのように感じられますが。

ニュー・モノポリー

ニュー・モノポリー(New Monopoly)とは、GAFA等のIT大手による近年の情報やデータの独占やその状態のこと。
グローバルにビジネス展開するIT大手については課税が大きな問題ですが、こちらはまた別の、独占という観点からの大きな問題です。
国家が情報独占する某隣国よりは、まだマシだとは思いますが。

[参考]日本経済新聞:
■「新独占」IT7社で130億人 企業・個人・国家を翻弄(2019.2.11)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4113595010022019MM8000/

■ニュー・モノポリー 米ITビッグ5(上)(2017.7.14)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO18860860U7A710C1FF2000/

Monopolyとは、独占のこと。
大昔、モノポリーという同名のボードゲームがありました。(人生ゲームの親戚である)億万長者ゲームみたいな奴です(余計判りにくいかな)。
と、ここまで書いて、調べてみたらまだ売っていました。横道。


ニュー・モノポリーは「新たな寡占」と訳されることも多いようですが、寡占ならNew Oligopoly。「新たな独占」でよいのではないかと。


官民ファンドとインセンティブ

日本経済新聞の経済教室に、官民ファンドのインセンティブに関する興味深い記事が。

■官民ファンドのインセンティブ 投資回収促す報酬体系を(2019.2.11)
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO4107539008022019KE8000/


著者は、産業投資革新機構(JIC)の報酬問題で社外取締役を辞任した、米国大学の御二人。
JICの報酬問題とは、JIC経営陣が経産省と報酬やインセンティブ等につき書面合意後、官邸から横槍が入り白紙化、迫られて民間出身の9人全員が辞任、とされる案件でした。
(辞任のコメントもこちらに書いておられます。3番目と4番目。)

VCではインセンティブとそのためのキャリー(成功報酬)の設計が極めて重要で、JICではファンド全体の元本返済原則がない、クローバック条項がない、高収益を狙うインセンティブがない等、大きな欠陥がいくつもあってダメダメだという主旨。これらはまったく頷ける指摘です。

ただ、このような米国VC流のやり方が、本邦の政治家や官庁のそれとマッチするかといえば、まったく疑問で、むしろ相反するように思います。つまり、官民ファンドに関して言えば、主張は所詮無いものねだりで、そのため政治家とその意を受けた経産省にバッサリ切り捨てられたのかと。

なお、官民ファンドについては、以前にこちらで書いたように、その存在意義自体を疑問視しております。

所有者不明土地対策(3)③遺産分割協議に期限へ

一昨日と昨日アップした「所有者不明土地対策(1)土地の相続登記義務化へ同(2)②所有権放棄の制度を創設へ」の続き。
所有者不明土地対策の次のポイントは、③遺産分割協議に期限、です。

①相続登記の義務化
②所有権放棄の制度を創設
③遺産分割協議に期限
④相続財産管理人を土地ごとに選任


相続手続は概ね、相続承認→遺産分割協議→名義書き換え等→相続税申告という流れです。
例えば、相続放棄や限定承認(3ヶ月、民法第915条)、相続税申告(10ヶ月、相続税法第27条1項)は期限が定められていますが、遺産分割協議や遺産分割協議書の作成には現在特に期限がありません。実際には、遺産分割協議が整わず(合意できず)手続が長期間放置されることもあるようです。

所有者不明土地対策のため、この遺産分割協議に期限を設けるべく検討するということです。
これは手続論の範疇ですが、スケジュールを縛るため、実務への影響は大きいとも思われます。

[参考]
■一般財団法人国土計画協会:所有者不明土地問題研究会
http://www.kok.or.jp/project/fumei.html

■国土交通省:所有者不明土地問題に関する最近の取組について
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk2_000099.html

所有者不明土地対策(2)②所有権放棄の制度を創設へ

昨日アップした「所有者不明土地対策(1)土地の相続登記義務化へ」の続き。
所有者不明土地対策の次のポイントは、②所有権放棄の制度を創設、です。

①相続登記の義務化
②所有権放棄の制度を創設
③遺産分割協議に期限
④相続財産管理人を土地ごとに選任


土地の所有権放棄について、民法や不動産登記法には明文が無く、これまで一般に所有権放棄はできないと考えられていました。
これまで無かった制度なので、創設するという訳です。

と、書いたところで、念のためにググってみたら、土地の所有権放棄は現行法で可能というのが学説として多数説である、という論旨の論文が一番最初に出てきてビビりましたが。Web上の情報は、当ブログを含め、玉石混交ですね(爆
(土地に限らず、所有権は放棄できないと解するのが一般と思います。)

まあ、日本は(某隣国と違い)言論や表現の自由度が非常に高い国なので学説は好きに主張して頂ければよいのですが、土地の所有権放棄を認めると、実務上いろいろな問題が生じることは容易に想像できます。
例えば、現行、所有者のない不動産は、国庫に帰属(民法第239条2項)し、土地は不動産なのでこれに該当します。もし土地の所有権放棄が可能になると、放棄により権利義務が国に移ることになる。そう、所有権には権利だけでなく義務が伴いますので、権利 ≦ 義務の土地、つまり価値がマイナスの土地はどんどん放棄されて、国がそれを(税金で)負担することにもなりかねません。廃棄物(ゴミ)を街中に自由に投げ捨てることを認め、国がそれを処理する、というイメージです。これは、土地所有者が他の国民にコスト転嫁してることになるのでは?

上記は素人考えの一例ですが、②所有権放棄の制度を創設することは、手続論である①土地の相続登記義務化などとは比較できない、重大な法制度の変更であると考えられます。
注視したい。

[参考]
■一般財団法人国土計画協会:所有者不明土地問題研究会
http://www.kok.or.jp/project/fumei.html

■国土交通省:所有者不明土地問題に関する最近の取組について
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk2_000099.html

所有者不明土地対策(1)土地の相続登記義務化へ

1. 所有者不明土地対策で法改正検討
所有者不明土地が経済・社会的に非常に大きな問題となっており、こんな弥縫策がなされたりもしていましたが、やっと立法レベルで抜本的に対策するとの報道が。

■土地の相続登記を義務化 所有者不明問題で法改正へ(2019.2.8)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4105341008022019MM0000/
2020年秋の臨時国会に民法と不動産登記法の改正案を提出するというスケジュール感で、法制審議会に諮問されるようです。

2. 法改正の検討ポイント
記事によると、法改正の検討のポイントは以下の4つ。

①相続登記の義務化
②所有権放棄の制度を創設
③遺産分割協議に期限
④相続財産管理人を土地ごとに選任


なお、あくまで法制審に掛ける前の、公表された現時点の検討ポイントということだと思われ、これらがすべて法制化されるのか、またそれ以外にも重要な改正があるか等は、まだ判然としませんのでご留意を。

このうち「①相続登記の義務化」について、以下にコメントします。
(「②所有権放棄の制度を創設」については明日に、「③遺産分割協議に期限」は明後日に、という予定。④はたぶん省略。)

3. 相続登記の義務化
所有者不明土地問題研究会によると、所有者不明の土地は現在でも約410万ヘクタールで、このままでは2040年には720万ヘクタールに達すると見込んでいます。

日本の相続法では、遺言などで特に指定が無い場合には全相続人が法定する一定割合で相続するため、いわゆるネズミ算式に相続による土地の所有者は増えます。
相続した土地登記の、所有権の名義書き換えには費用と手間が掛かりますが、これは現在は義務ではなく、そのため相続人が登記しないケースも多い模様です。つまり、実際には相続しているのに、土地の登記簿上は旧所有者のまま、放置されるという。

相続登記の義務化とは、この土地の相続による名義書き換えを強制するものです。

[参考]
■一般財団法人国土計画協会:所有者不明土地問題研究会
http://www.kok.or.jp/project/fumei.html

■国土交通省:所有者不明土地問題に関する最近の取組について
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk2_000099.html
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「生涯一コンサルタント」として、ダウンシフトしながら、人生晩年を迷走中です。

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